鷲尾飛鳥

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第14話『悪魔の軍団ブラックリリー結成』(後編)

2011年 11月20日 23:40 (日)

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 世界征服計画をことごとくスカーレットエンジェルに邪魔され続けた宇宙魔女クイーンリリーは、ついに秘密結社『ブラックリリー』を結成して、スカーレットエンジェルに対抗することにした。そして結成式を行うにあたって、式典の引き出物及び生贄として、結花と久美子を拉致し、スカーレットエンジェル、つまり美紀子に対して招待状を送りつけた。結花と久美子が誘拐されたのを知った美紀子と詩織は、源太郎とともに結成式の会場となった天間村へ向かう。
 結花と久美子を助けるべく、アジトへ向かっていったスカーレットエンジェルだったが、ホーネットリーとカラスリーの巧みな戦術と、二世怪人たちの攻撃によって一敗地にまみれ、捕らえられてアジトの地下牢に繋がれてしまう。一方、帰ってこないスカーレットエンジェルを助けに行こうとした源太郎と詩織は、上空を通過していく火の玉に遭遇し、さらに誠一からペンションのそばにその火の玉が落下し、その正体が宇宙船らしいという事を聞いて、正体を確かめるべくペンションへ戻る。
 そこで源太郎達が見たものは、雑木林の中に不時着した小型宇宙船と、中から出てきた人物… スカーレットエンジェルそっくりの姿格好をした女の子だった。

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      *       *       *       *

 彼女の名はヴァイオレットエンジェル。スカーレットエンジェルの双子の姉である。スカーレットエンジェルが、逃げるクイーンリリーを追って宇宙空間へ飛び出したあと、ヴァイオレットエンジェルは宇宙船でそのあとを追った。だが宇宙船は途中で無理なワープのために動力が故障して航行不能になり、脱出艇に乗って何とか地球までたどり着いたのだが、燃料が無くなってこの場所に不時着したのだった。
 懐中電灯を照らされ、眩しさに顔を覆ったヴァイオレットエンジェルは、自分の前に三人の人影があるのを見て、ブレードを出して身構え、威嚇した。源太郎はそれを見てあわててヴァイオレットエンジェルに向かって叫んだ。
「待ってくれ。俺達は怪しい者じゃない。スカーレットエンジェルの仲間なんだ。つまり君の味方だ! 君はスカーレットエンジェルと同じ姿格好をしているが、スカーレットエンジェルの仲間なんだろう? 俺達はこの地球でのスカーレットエンジェルの同志なんだ」
 ヴァイオレットエンジェルはその言葉を聞き、身構えるのをやめると、ブレードを収納して源太郎たちの前まで歩いてきた。

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「スカーレットエンジェルの同志って、どういう事ですか? あなたたちは一体何者なんですか?」
「私の名は紅林源太郎。私達はこの地球で、スカーレットエンジェルがクイーンリリーと戦うのをサポートしているんだ。それにスカーレットエンジェルは今、この私と養子縁組みをして、私の養女、紅林美紀子として一緒に暮しているんだよ」
「あたしは松島詩織。美紀子、いや、スカーレットエンジェルの親友なの」
「俺は赤嶺誠一。スカーレットエンジェルが地球に来た時、怪我をして倒れていたのを助けて、自分の家に連れて行って介抱したんだ」
「それより君は一体誰なのか教えてくれ。君はスカーレットエンジェルと同じ格好をしていて、しかも顔まで同じだ」
「私はヴァイオレットエンジェル。スカーレットエンジェルとは双子同士で、私の方が姉なんです」
 源太郎達はヴァイオレットエンジェルがスカーレットエンジェルの双子の姉だと知り、それなら顔が同じでもおかしくは無いと悟った。そこへ和枝が出てきて声をかけてきた。
「みんな! もうすぐ晩御飯よ。そんな所にいたら風邪ひくから、早く入ってらっしゃい」
 和枝の声を聞き、誠一はヴァイオレットエンジェルに向かって言った。
「ここであれこれ言っててもしょうがないよ。とにかく中へ入って話をしよう」
 源太郎が付け加えるように言った。
「その通りだ。我々はまず君の話が聞きたいし、俺達とスカーレットエンジェルとの関係について、詳しく話をしたいんだ。話を聞いてくれるか?」
「分かりました。私はあなた達のことを信じます」
 そう言うと、ヴァイオレットエンジェルはポーズを取って変身を解き、詩織はヴァイオレットエンジェルに歩み寄った。
「それじゃ行こうか」
「うん」

        *       *       *       *


 暗闇の中で目を覚ました美紀子は、壁に四肢を鎖で繫がれて拘束されているのに気付いた。体全体と足の爪先に寒さと冷たさを感じたが、それは防寒着とブーツを脱がされていたからだった。
「(これじゃ逃げられない… とにかく今はやつらの出方を待つしかないわ)」
 そう思っていた時、突然扉が開いて牢内の照明が灯り、人間の女性の姿になったホーネットリーが入ってきた。
「お目覚めのようね。スカーレットエンジェル! いや、紅林美紀子」
「結花ちゃんと久美子ちゃんは何処なの!?」
「あの二人のことなら安心していいわよ。明日の正午までは生きているわ。人の事より自分の心配をしたらどう?」

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「馬鹿な事言ってないで二人を返して! 私が身代わりになるから」
「お前が身代わりですって? 笑わせないでよ。そうはいかないわ。あの二人は明日の正午に行う結成式のための引き出物なの。そしてお前も拷問の末に処刑される運命にあるのよ。これから私がお前をたっぷりといたぶってあげるわ」
 そう言いながらホーネットリーは美紀子に顔を近づけてきた。美紀子は近付いてきた女性の顔を見て、2ヶ月ほど前に読んだ新聞に載っていた事件のニュースを思い出した。その事件とは、中東にある〇〇国の破壊工作員による連続都市爆破事件で、世界中にある主要都市を狙った連続テロだった。そして2ヶ月前に東南アジアの某都市にある大使館が爆破された時、目の前にいる女性が犯人の一人として写真に載り、女性は爆発に巻き込まれて行方不明になったというものだった。
「あなたは! ・・・ 確か連続都市爆破事件で行方不明になった〇〇国の・・ 」
「知っていたのね。あなたの言う通りよ。私は〇〇国軍のスパイであり、そして破壊工作員をやっていたのよ。爆破事件で不運にも爆発に巻き込まれ、生死の境を彷徨っていた所をクイーンリリー様に助けられ、こうして改造されて新しい体をもらって今あなたの前に立っているの。私はクイーンリリー様の意思に従い、忠誠を誓ってブラックリリーの一員になったのよ」
「クイーンリリーの? あなた悪魔に魂を売ったの?! 冗談じゃないわ。あんなやつの手下になって世界制服ですって? あんた何考えてるのよ!」

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 バシィーン!!
「はぐうぅっ!!」
 ホーネットリーは鞭で美紀子を叩きつけた。
「クイーンリリー様に向かって『あんなやつ』ですって? 恐れ多くも我がブラックリリーの大首領様を冒涜したわね。お前には少しお仕置きが必要なようね」
 ホーネットリーは戦闘員に向かって合図した。戦闘員は牢内に入ってきて美紀子の両側に立つと、両手両足の鉄枷を外し、押さえつけてから後ろ手に手枷を嵌め込んだ。
「拷問室へ連れていけ!」
「ヒャイィーッ!」

        *       *       *       *


「えっ!? スカーレットエンジェルが捕まった?」
「そうなの。人質を助けるために、やつらのアジトへ行ったまま帰ってこないのよ。きっとやつらに捕まったんだわ」
 ペンションの食堂では、全員が食事を終え、後片付けも終わって、源太郎たちはヴァイオレットエンジェルを交えて、テーブルを囲んで話をしていた。そこには和枝以外の全員がいた。
「それで… あなた達はスカーレットエンジェルと一緒に、クイーンリリーと戦っているって言ったけど、地球にも宇宙連邦警察のような組織があるんですか?」
「いや… そういう組織は存在しない。それにクイーンリリーの存在すら、誰も知らないし、誰も信じないだろう」
「それなのにあなた達はクイーンリリーと戦うことが出来るんですか?」
「出来る。実際に戦ってるんだ。俺達はスカーレットエンジェルと出会い、彼女の使命を知って、ともに戦う同志として彼女をサポートしているんだ。それに、俺はインターポールという組織にいて、超常現象や怪奇現象を専門に扱う特別捜査官なんだ。クイーンリリーやクイーンリリーが送りこんでくる化け物は、普通の人から見れば超常現象や怪奇現象なんだよ。俺はそういうものに対抗するプロジェクトチームにいるんだ」

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 源太郎に続いて、詩織が自分の事を話した。
「あたしはスカーレットエンジェル… つまり紅林美紀子の親友であり、スカーレットエンジェルの助手でもあるのよ。地球で生活するには、何かと不便なこともあると思って、ここにいるあたしの伯父さんが美紀子を養子にして、一緒に暮らしているの」
「そうだったんですか。妹のために、色々とありがとうございました」
「それで話が戻るんだけど、捕まったスカーレットエンジェルと、誘拐されたあたしの仲間たちを助けて欲しいの。あなたに協力してもらいたいのよ。お願いヴァイオレットエンジェル! みんなを助けて」
「事情は分かりました。クイーンリリーの暴挙は絶対許すわけにはいかないわ。やつは宇宙の支配を目論む魔女であり、星間犯罪者として全宇宙に使命手配されているのよ。私の使命もスカーレットエンジェルと同じよ。だから私の方からもあなた達にお願いするわ。クイーンリリーを倒すために、是非協力してください」
「これで決まったな。やつらは明日の正午に組織の結成式をやるんだ。その時の引き出物として、誘拐した者達を生贄にするつもりなんだ。だから、それまでにどうしてもみんなを助けなければならない。そこでだ… みんなそばに寄れ」
 そう言って、源太郎はみんなを寄せ、声を低くして話し始めた。

        *       *       *       *

 拷問室に連行されてきた美紀子は、両手の鉄枷を外されてから、すぐに両手を万歳した格好にされて手枷を嵌められ、続いて開脚させられて両足に足枷を嵌められた。ホーネットリーは美紀子を拘束したのを確認すると、戦闘員に部屋から出て行くよう命令した。自分一人で拷問を楽しみたいというサディスティックな嗜好があったからだ。戦闘員が部屋を出て行き、扉が閉められると、ホーネットリーは美紀子に向かって言った。
「おい小娘! よくも今まで我々に刃向かったな! 今こそこれまでの恨みを晴らしてやる。クイーンリリー様がお前を出来るだけ酷い方法で痛めつけろと言っておられる。拷問の苦痛でお前が絶叫しながら身悶えする姿をたっぷりと見せてもらうわ」
 美紀子はそれを聞き、ムッとしてホーネットリーに向かって怒鳴った。
「何よ! サディスト」
「その言葉・・・ ゾクゾクするわ。たっぷりといたぶって嬲り者にしてやる」
「ふん! 好きなようにすればいいじゃないの! どうせなら一思いに殺しなさいよ。誰がお前達なんかに服従なんかするもんか! 私が死んだって、必ず誰かがお前達を倒してくれるわ」
「誰も我々に楯突く事など出来はせぬわ。お前をいたぶって殺してから、お前の仲間たちも地獄へ送ってやる。まず電気ショックで痛めつけやる。存分に悶えて叫びなさい」
 スイッチが入れられ、美紀子の体に電気が流れた。
 バリバリバリバリ
「あ… アァァァーッ! アーッ!」

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 美紀子は苦痛にその身を悶絶させて絶叫し、その声が拷問室全体に反響した。
「もっと悶えろ! もっと叫べ。その叫び声を聞いていると、ゾクゾクするわ! もっと悶えろ」
「な、何よ! サディスト! わ、私は絶対負けな・・ キャアァーッ! アッ… あぁぁーっ」
 電圧が上がり、美紀子の身体がガクガクと激しく震えた。体を弓なりに仰け反らせて首を左右に激しく振りながら悶絶し、その度に四肢を繋いでいる鎖がジャラジャラと音を立てた。
「アァアーッ アーッ!!」
 美紀子の身体は電撃のショックで跳ねるように悶絶し、次第に目に霞がかかってきて意識が飛びそうになってきた。
「このままでは死んでしまう。今殺してしまっては意味が無い」
 そう言いながらホーネットリーはスイッチを切った。美紀子はハアハアと苦しそうな息づかいをしながら頭を垂れた。ホーネットリーは美紀子の髪を鷲掴みにして引き上げた。
「ぐ… うう・・・」
「どうだ小娘! クイーンリリー様に楯突くと、どうなるか思い知ったか!?」
「こ・・・ こんな事で屈服なんかしないわ。私はお前達を絶対許さない」
「スカーレットエンジェル。我がブラックリリーの一員になりなさい。そして、クイーンリリー様の下で世界征服を遂行するのよ。今この世界はもう腐りきってしまって手がつけられないくらいどうしようもなくなっている。だから我々ブラックリリーの手で不要なものはすべて破壊し、不要な人間どもは全て皆殺しにして、我々の理想の世界を作り上げるのよ。世界征服を達成した暁には、我々は世界の王者として君臨できるのよ。こんなすばらしい理想が他に何処にあるというの?」
「あんた何考えてるのよ! 破壊と殺戮で世界を作るですって!? あんた普通じゃないわ。そんな事のために協力なんか出来ないわ。死んだって悪魔に魂なんか売るもんか! どんな拷問にかけられたって、絶対ブラックリリーなんかに服従なんかするもんか!」
「ふん! さすがはスカーレットエンジェルだ。その反抗的な態度が魅力的よ。いままで何人もこうやって拷問でいたぶってきたけど、お前のようなやつは始めてだわ」
 ホーネットリーはそう言いながら鞭を手に美紀子の前に立った。
「今度はどんな声を出して鳴くのかしら? またゾクゾクするような声を聞かせてね」
 そう言って、ホーネットリーは鞭を振り上げ、先ほど美紀子を打ち据えたときとは比較にならないほどの強さで美紀子の身体めがけて振り下ろし、鞭が美紀子の胸に叩きつけられた。
バシィーン!!! と、部屋の中に鞭の音が響く。

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「アァーッ!」
 鞭で打たれた美紀子は、悲痛な叫び声とともに身体を仰け反らせた。一振りでセーターが裂け、その裂け目から下着がのぞいた。さらにもう一振りが美紀子の太股を直撃した。
 バシィーン!!!
「ウワァーッ!」
 鞭があたった部分に蚯蚓腫れが出来、タイツが裂けて伝線した。
 ビシィィーッ!!
「はぐうっ!」
「どうだ小娘! もっと叫べ。もっと悶えろ。もっと苦しめ!」
「うるさいサディスト! 私はお前たちなんかに絶対負けないわ」
 バシイッッ!
「キャーッ!」
 ホーネットリーは30分ほど美紀子を鞭で打ち据え、その度に美紀子は悶絶しながら悲痛な悲鳴を上げた。セーターの裂け目が増えて、タイツにも裂け目が入り、所々で素肌が剥き出しになった。美紀子は荒い息遣いをしながらも、ホーネットリーを睨みつけた。
「相変わらず生意気な小娘だ! 今度は気持ちのいい思いをさせてあげるわ」
ホーネットリーは美紀子の胸を鷲掴みにした。
「ヒッ・・・」
 胸を触られた美紀子は思わず声を出し、身体をゆすって抵抗した。ホーネットリーはそれに構わず、美紀子の胸を揉み始めた。

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「やめて! 気持ち悪い・・・ やめてえっ! やだアーッ!」
 ホーネットリーは片方の手で美紀子の胸を揉みながら、もう片方の手で美紀子のスカートから伸びている脚に触って、スリスリと撫で回した。
「ヒッ!! い、嫌… やめてよ気持ち悪い! やめろーッ!」
 美紀子は体を捩って抵抗したが、四肢を繫がれていてはどうすることも出来ない。次第に身体が火照り出して体の力が抜け、理性が飛びそうになってきた。それに気付いたホーネットリーは、美紀子のスカートを捲り上げた。
「や・・ やめてよ変態」
「さあ小娘。今から本当の快楽と、倒錯の世界を彷徨わせてやる」
 このまま続けられれば、間違いなく美紀子はホーネットリーの責めの前に絶頂に達してしまうだろう。ホーネットリーが太股から手をすべらせて、股間に触れようとした時、戦闘員の一人が拷問室に入ってきて、ホーネットリーは手を止めて戦闘員を睨みつけた。
「何だ!? 命令があるまで入ってくるなと言った筈だぞ」
「イーッ。申し訳ありません。しかし、クイーンリリー様からの至急の命令です。すぐに司令室に来て下さい」
「呼び出しか… ならばやむをえん。せっかく小娘と一緒に楽しんでいたのに残念だわ」
 ホーネットリーはそう言うと美紀子から離れ、拷問室から出ていった。美紀子はすんでの所で責めを免れて助かったのだが、安堵感からか全身の力が抜け、身体を鎖に預ける格好になった。
 司令室に入ったホーネットリーは通信機の前に立った。
「ホーネットリーです。クイーンリリー様。何かご用ですか?」
「明日の結成式の打ち合わせを行う。至急基地に出頭せよ」
「かしこまりました」
 ホーネットリーは訝しげな顔をしながら無線機から離れると、戦闘員たちの方を向いて言った。
「命令ならば仕方が無い。私は今から基地へ行く。お前達は拷問室の小娘を厳重に見張れ」
「ヒャイィーッ!」
 戦闘員達は一斉に敬礼し、ホーネットリーはアジトから出て、戦闘員が用意していた車に乗って基地へ向かった。基地では、既にカラスリーと二世怪人たちがいて、ホーネットリーの到着を待っていた。クイーンリリーも司令室にいた。
「ホーネットリー只今到着しました」
「うむ。ご苦労であった。スカーレットエンジェルの様子はどうだ?」
「屈服させるべく拷問にかけて、いたぶりましたが、宇宙連邦警察の戦士らしく、強情です」
「ままいい。スカーレットエンジェルは結成式が終わるまで拘束しておく。その後で私自身が拷問してやる。じっくりと生き恥をかかせ、いたぶってから処刑するのだ。ところでカラスリー。例の二人の小娘はどうだ?」
「思ったより大人しくしているようです。諦めたのか開き直っているかは定かではありませんが、さっき部屋の様子を見に行った戦闘員から、既に寝ているとの報告を受けています」
「そうか… 逃げ出すとは思えないが、引き続き見張りを続けるように伝えるのだ。それよりも、明日の打ち合わせを行うから、当直以外の戦闘員を全員司令室に集めろ」

        *      *      *      *

 そして翌朝… 
 ついにブラックリリーの組織結成式の朝を迎えた。今日の正午に結成式が行われ、結花と久美子は生贄として処刑される運命にあった。そして捕まった美紀子の運命も同様だった。
 ブラックリリーの秘密基地では、クイーンリリーがホーネットリーとカラスリーを呼び、最後の打ち合わせをしていた。
「カラスリー。車の用意は出来たか?」
「はい。すでに乗用車とトラック、そして護送車を用意してあり、いつでも発進出来ます」
「よし。戦闘員に集合をかけるのだ。二世怪人たちを使って結成式の段取りをせよ」
「かしこまりました。クイーンリリー様」
 カラスリーは二世怪人と戦闘員の一隊を引き連れて、基地の外へ出て出動の準備を始め、ホーネットリーは女性の姿に化けて基地を出ると、用意されていた車に乗り込んでアジトへと向かった。アジトに到着したホーネットリーは、まず司令室に入り、戦闘員を呼びつけた。
「スカーレットエンジェルの様子はどうだ」
「イーッ。拘束したまま監禁してあります。特にこれといって変った様子はありません」
「分かった。結成式が終わるまで厳重に見張れ。それから、軟禁している小娘たちはどうしてる」
「イーッ。今朝朝食を運んだときに、食事が済んだら元の服に着替えるように言っておきました」
「よし。娘たちを連れて行く。2~3人来い」
 ホーネットリーは戦闘員を引き連れて司令室を出ると、上にある擬装ドライブインに入り、結花と久美子を軟禁している部屋へ向かった。そして部屋の扉を開けると、中にいた結花と久美子に近付いた。2人とも言いつけ通り、元々着ていた服に着替えていた。
「さあ出なさい。これから出かけるわよ」
「どこへ行くのよ!?」
 久美子がキッと睨みながら聞いた。
「気の強そうなお嬢さんだこと… 」
 そう言ってホーネットリーは後ろに立っている戦闘員に命じた。
「この二人を連れて行くのよ」
「ヒャイィーッ!」
 戦闘員はそれぞれ結花と久美子の両腕を押さえて立たせ、後ろ手に手錠をかけて目隠しをすると、部屋から無理矢理外へ連れ出した。

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「やだーッ! 助けてぇーッ。引き出物なんて嫌よぉ」
 結花が悲痛な叫び声をあげたが、そばにいた久美子が結花を宥めた。
「結花姉さん… こうなったら潔くしようよ。でも最後の最後まで絶対諦めないで」
「ふん! 誰もお前達なんか助けに来ないわよ」
 ホーネットリーは鼻先でせせら笑いながら、結花と久美子を連れて行く戦闘員達の後に続いた。そして館の外へ出ると、停めてあった車に二人を乗せた。
「よし。行け!」
 車は戦闘員の運転でゆっくりと発進した。一方、クイーンリリーとカラスリーは二世怪人や戦闘員とともに車に乗りこみ、基地から発進した。
 走っている車の中で、結花は体を強張らせてすすり泣いていた。久美子は内心怖かったものの、落ち着き払ってじっとしていた。

        *       *       *       *

 その頃、ペンションを出発した源太郎たちは昨日の場所に向かって車を走らせていた。助手席には詩織が、後部にはヴァイオレットエンジェルが乗っていた。
「二人とも。覚悟はいいか?」
 源太郎の声に、ヴァイオレットエンジェルと詩織は黙って頷いた。ヴァイオレットエンジェルは美紀子に向かって盛んにテレパスを送っていたが、美紀子からは何の反応も返ってきていなかった。
「(テレパスが届かないっていう事は、きっとスカーレットエンジェルは意識を失っている。お願い… 早く気付いて)」
 やがて車は昨日の場所に到達し、三人は車から降りて、源太郎はトランクルームからリュックを出した。詩織はヴァイオレットエンジェルの仕草が気になっていたので、ヴァイオレットエンジェルに聞いてみた。
「ねえ… さっきから車の中で何してたの?」
「スカーレットエンジェルとテレパスでコンタクトをとっていたのよ。でも、気を失っているのか、全然通じないのよ」
「それよりも、やつらのアジトを探す方が先決だぞ。正午まであと二時間しかないんだ」
「分かりました。ちょっと下がってください」
 ヴァイオレットエンジェルは源太郎達を遠ざけると、ポーズをとった。
「ヴァイオレットスパーク‐エンジェルチャージ!」
 ヴァイオレットエンジェルの身体が光りに包まれ、戦士の姿になった。そして頭の髪飾りに両手をあてがい、目を瞑った。ヴァイオレットエンジェルの髪飾りも、スカーレットエンジェルと同じ機能を持っているのだ。
「みんな… 私のそばに来て下さい。アジトの場所が大体分かりました。テレポートでアジトの近くまで行きます」
 ヴァイオレットエンジェルは源太郎達をそばに来させると、スティックを出して空にかざした。
「テレポートチャージ!」
 スティックから光の渦が出てきて、それは大きな光の塊になり、みんなの姿を包みこんで、光が消えた時には源太郎達三人の姿が消え、同時にその姿はブラックリリーのアジトのそばに現れた。
「みんな隠れるんだ」
 源太郎の一声で、そばにいたヴァイオレットエンジェルと詩織はその場に伏せた。アジトのある偽装ドライブインの方向を見ると、見張りの戦闘員が立っていた。その時ヴァイオレットエンジェルは、突然頭の中でキィーンという、耳鳴りのような感触に、咄嗟に両手で頭を押さえた。
「ヴァイオレットエンジェル。どうしたの?」
「スカーレットエンジェルのテレパスだわ。それもかなり強い… 間違いなくこのアジトの中に捕らわれているわ」
「助けに行こう!」
「待て詩織! その前に周りにいるやつらを何とかしなきゃならんぞ」
 そう言って源太郎は、詩織にそばに来るように促し、詩織に煙幕弾を渡すと、リュックから拳銃を取り出して、サイレンサーを取り付けた。
「見張りの数は… 一、二、三人か… 」
 そう言いながら、源太郎は詩織に向かって、詩織に聞こえる最小の声で言った。
「詩織。煙幕弾を投げろ!」
「OK!」
 詩織は煙幕弾の安全ピンを抜くと、10mくらい離れた場所を狙って放り投げた。真っ黒い煙が噴き出して、それに気付いた見張りの戦闘員が全て近付いてきた。
「しめた! 全員やってくる」
 戦闘員の一人が、落ちている煙幕弾を見つけ、拾おうとした。
「今だ!」
 源太郎の声とともに、源太郎を先頭に、詩織とヴァイオレットエンジェルが飛び出し、戦闘員に飛びかかった。
源太郎は戦闘員の一人に組みつくと同時に、そのまま押し倒して組み伏せた。詩織とヴァイオレットエンジェルは、それぞれ戦闘員と格闘して倒した。戦闘員を組み伏せた源太郎は、そのまま羽交い締めにした。
「さあ言え! アジトの入り口はどこだ!?」
「く… 苦しい… 建物の奥の、か、カウンターの後ろ… 」
 源太郎は戦闘員を気絶させると、詩織達についてくるように合図して建物の中へ入った。ここは元々レストハウスとして使われていた建物で、奥の方にカウンターがあった。
「あの後ろか… よし!」
 そう言って源太郎はカウンターの後ろにあった地下通路への出入り口から階段を降りた。その後ろからヴァイオレットエンジェル、詩織の順で続いた。階段を降りきって地下の廊下が続いている場所で、源太郎は廊下の奥の方を見た。
「静かだな・・・」
「テレパスの反応が近いわ。私が行く」
 そう言ってヴァイオレットエンジェルが先頭に立って歩き始めた。すると傍の部屋の扉が開き、戦闘員が出てきた。
「イーッ!」
 出てきた戦闘員はヴァイオレットエンジェルに飛びかかってきたが、難なくヴァイオレットエンジェルに倒された。さらに数人の戦闘員が飛び出してきて、格闘戦になった。源太郎と詩織も戦いに加わって、源太郎は戦闘員が出てきた部屋に突入した。そこは司令室で、戦闘員の一人があわてて無線で連絡を入れようとしていたところだった。源太郎は戦闘員めがけて銃を撃った。
 バシュッ!
「イ゛―ッ!」
 戦闘員はうめき声とともにその場から倒れて絶命した。廊下では詩織が戦闘員と格闘している隙に、ヴァイオレットエンジェルが小走りに廊下の突き当たりの部屋へ向かった。テレパスの反応が奥の部屋の方から来ていたからだ。部屋の扉の前に来たヴァイオレットエンジェルは、格子窓越しに室内に繫がれている美紀子の姿を確認した。ヴァイオレットエンジェルはドアを開けようとしたが、鍵がかかっていて開けられなかったので、後ろに下がって両手を胸のブローチにあててエネルギーをため、右手を前に押し出した。
「エンジェルスマッシュ!」

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 エネルギー波が扉を粉砕し、ヴァイオレットエンジェルは室内に入った。その部屋の真ん中辺りで両手をバンザイし、両足を開脚されられた恰好で、鎖で繋がれていた美紀子の姿があった。
「スカーレット!」
 美紀子は爆発の衝撃とヴァイオレットエンジェルの声で目を覚ました。
「ヴァイオレット… 姉さん。どうしてここへ」
「あんたが宇宙へ飛び出した後、私はワープが出来ないから、宇宙船で後を追ってやってきたのよ。そんなことより鎖を外すからジッとしてて」
 ヴァイオレットエンジェルは美紀子の手足を拘束していた鉄枷を外し、自由の身になった美紀子は鉄枷が嵌められていた手首を摩りながら呟いた。
「あのスズメバチの化け物め、私の体中を触って弄びやがって… 絶対許さない」
 ヴァイオレットエンジェルは、美紀子の様子を見て言った。
「この様子だと派手にやられたようね。でも、のんびりしてる余裕はないよ。やつらの結成式まで時間が無いわ。それに源太郎さんと詩織さんが待ってるから、早く行こう」
「何処にいるの?」
「司令室に乗り込んだみたい。その後のことは私は分からないわ」
 そこへ詩織が入ってきた。詩織は美紀子がヴァイオレットエンジェルに助けられていたのを見て、ホッとした顔で美紀子のそばに来た。
「美紀子… よかった。無事だったのね」
「詩織。源太郎さんは?」
「司令室にいるわ。やつらのデータを調べている」
「分かった。それじゃ私達も行こう」
「ちょっと待って。美紀子、セーターが破けて下着が見えてる」
「え… キャッ」
 美紀子は思わずブラがのぞいている部分を手で押さえた。詩織は自分が着ていた防寒服を脱ぐと、美紀子に渡した。
「美紀子、これ着て」
「そんなことしたら詩織が寒いでしょ? 私は大丈夫だよ」
 そう言って美紀子は服を詩織に返すと、変身のポーズをとった。
「スカーレットスパーク‐エンジェルチャージ!」
 美紀子はスカーレットエンジェルに変身すると、ヴァイオレットエンジェルと詩織を促して司令室へ向かった。司令室に入ると源太郎が室内のコンピューターを見ていた。
「源太郎さん」
「おう! 美紀子、いやスカーレットエンジェル。こっちへ来てくれ。これを見ろ」

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 源太郎はスカーレットエンジェルに、コンピューターから打ち出したデータを見せた。
「これは… 」
「やつらの作戦計画書だ」
 スカーレットエンジェルは黙々とデータの内容に目を通した。詩織は後ろからそれを見ながら、独り言を呟いた。
「しかしやつらも間抜けだね。こんな大事な物を放置しておくなんて」
 書類を読み終わったスカーレットエンジェルは、書類をヴァイオレットエンジェルに渡した。既に資料を読み終えていた源太郎は、スカーレットエンジェルとヴァイオレットエンジェル、そして詩織を自分のそばに呼び寄せて言った。
「みんなここからすぐに出るんだ。やつらの結成式はデータにあったように、ここから1kmほど西にある“レストハウスみこがみ”で行われる」
 源太郎はリュックから爆弾を取り出し、時限装置を取り付けて司令室の中にセットしてから、一時間後に爆発するようにスイッチを入れた。そこへ無線の通信が入って来た。
「こちらホーネットリー! アジトにいる諸君に伝える。ブラックリリーの結成式が終わり次第、クイーンリリー様と我々がそのアジトへ行き、スカーレットエンジェルを処刑する。それまでそのアジトで待機せよ」
 そこで通信が切れた。時間は現在11時10分。
「正午まであと一時間を切った。行くぞ!」
 源太郎の一声で、居合せたみんなは一斉に司令室から出て階段を上り、建物の出入り口から外へ出た。広い高原を見渡すと、西の方に向かって一本の道路が走っていてその向こうに建物が見える。
「あれが“レストハウスみこがみ”だ」
 源太郎は双眼鏡を取り出し、建物を見た。そしてすぐにスカーレットエンジェルに渡した。
「見てみろ」
 スカーレットエンジェルは言われるままに建物を見た。すると、広い駐車場といくつかの施設があり、レストハウスの建物の周りには戦闘員らしき姿が見えた。
「やつらだ… あのレストハウスを占領しているのね」
「正面から行ったら見つかってしまう… みんな集まって」
 ヴァイオレットエンジェルは皆を集めると、スティックを出した。
「スカーレット。あんたもスティックを出して」
「分かった」
 二人のエンジェルは源太郎達を自分達のそばに集め、スティックを空にかざした。
「テレポートチャージ!」
 スティックから光の帯が出てきて、皆の姿を包みこみ、そのまま消えた。
同時にみんなはレストハウスの屋上に姿を現した。そして見つからないように、それぞれ物陰に隠れた。源太郎は伏せたまま双眼鏡で道路の方向を見た。すると、向こうの方から三台の車が近付いてきた。
「来たぞ! やつらだ」
 車が乗り入れてきて、まず乗用車からクイーンリリーが降りてきた。続いてトラックからカラスリーと二世怪人のスネークリーとナメクジリーが降りてきた。さらにもう一台のトラックから10数人の戦闘員が下車した。それを待っていたかのように建物の中からホーネットリーが出てきて、続いて後ろ手に手錠を嵌められた結花と久美子が戦闘員に突付かれる様に外へ出てきた。
「とっとと歩け」
 結花と久美子はレストハウス前の公園広場に連れてこられた。
「やめてぇ! 嫌―っ 助けて… 助けてぇーっ」
「そこの拘束台に縛りつけろ。晒し者にするのだ」
 戦闘員は広場にある急拵えの拘束台の柱の前に二人を連れて行くと、まず久美子を後手錠を嵌めたまま柱に縄で縛り付けた。続いて泣き叫ぶ結花の手錠を外してコートを脱がせると、再び手錠を嵌めて久美子と同じように柱に縛り付けた。
「やだぁーッ! 放してぇ! 誰か助けてぇーっ!」
 結花は大声を出して泣きじゃくりながら助けを求めた。久美子の方は黙っていて、表向きは毅然としていたが、内心は恐怖で震えていた。結花があまりにも騒ぐため、イライラしてきたクイーンリリーは電磁鞭を持つと、結花の前に立った。
「うるさい小娘だ! 時間までおとなしくさせてやる」
 クイーンリリーは結花の身体を鞭で叩きつけた。
 バシイーッ!! ビリビリビリ
「アァゥーッ!」
 電磁鞭の一撃で、結花は絶叫とともに、そのまま首を垂れて気絶した。
「ひどい… 何てことするんだ」
「絶対助けなきゃ」
 屋根の上でそんな会話がなされている間にも、ブラックリリーの面々は次々と広場に集まってきてそれぞれ整列し、クイーンリリーがステージに上がり、全員が整然と整列したのを見てクイーンリリーは演説を始めた。
「皆の者! 我々はついに秘密結社ブラックリリーを結成し、その記念として、今日ここに結成式を行う」
 ここで大きな歓声と拍手が沸き上がり、クイーンリリーは右手を上げて制して再び話を始めた。
「ブラックリリーは恐怖、暴力、略奪、破壊の限りを尽くし、必ず全世界をこの手中に収めて支配する。我々の最大の敵スカーレットエンジェルは、既に捕らえて我が手中にあり、この結成式が終わり次第処刑する。もはや誰も我々の邪魔をする者はいないのだ」
「そうはいかないわ。ブラックリリーは世界征服を達成出来ず、今日この場で滅ぶのよ!!」
 突然の声に、全員が声のした方を振り向いた。
「今言ったのは誰だ!? 何処にいる!? 出て来い!」
 クイーンリリーは、自分の演説を邪魔され、あたりを見まわしながら怒鳴った。
「ここよ! クイーンリリー! 私達がいる限り、お前達の勝手になんかさせないわ!」
 スカーレットエンジェルとヴァイオレットエンジェルは、レストハウスの屋根の上に立ち、クイーンリリーに向かって叫んだ。驚いたホーネットリーが叫ぶ。
「スカーレットエンジェル! ば、馬鹿な… 何故アジトから脱出出来たのだ」
「残念だったわね。エンジェルは一人じゃないのよ! 私もいるってことを忘れないでよ」
「ヴァイオレットエンジェル! ええいくそぉ… ヴァイオレットエンジェルまで地球にやってきたのか!」
 クイーンリリーや怪人達が、二人のエンジェルに気を取られている隙に、源太郎達は密かに拘束台に近付き、結花と久美子の縄を切って手錠を外した。
「もう大丈夫だぞ」
 源太郎は久美子を詩織にあずけると、気絶したままの結花を抱きかかえて拘束台から離れ、安全な場所に連れていった。久美子は詩織に連れられて、源太郎の後ろからついていった。その様子をスカーレットエンジェルとヴァイオレットエンジェルはずっと眺めていた。
「スカーレット。作戦成功よ」
「うん! これで思う存分戦えるわ」
 スカーレットエンジェルとヴァイオレットエンジェルは、ジャンプすると、広場のステージに着地し、クイーンリリーに向かって身構えた。
「真紅の戦士、スカーレットエンジェル!」
「紫紺の戦士、ヴァイオレットエンジェル!」

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「クイーンリリー。これまでよ! これ以上勝手な真似はさせないわ!」
「何だと小娘! 捕らえた二人の小娘がどうなってもいいのか!?」
 そう言って拘束台の方を見たクイーンリリーは、縛り付けていた二人がいないのに気付いた。
「何い!? 人質がいない・・ 」
 それを聞いたホーネットリーとカラスリーは、拘束台を見た。
「馬鹿な!! 捕らえた小娘どもがいないぞ」
「ど、何処へいったのだ?」
「生憎だったな。化け物ども! 結花と久美子は俺達が助けたぞ。お前達の敵はスカーレットエンジェルやヴァイオレットエンジェルだけじゃないぞ! お前達の野望を粉砕するため、インターポールも行動を開始しているんだ」
 そう言って源太郎が、クイーンリリーに向かって怒鳴った。
「お… おのれ! よくも我々ブラックリリーの結成式を邪魔したな。こうなったら皆殺しだ。ホーネットリー! カラスリー! 二世怪人ども。エンジェルの小娘どもを血祭りに上げろ! 必ず殺すのだ」
「かしこまりました。クイーンリリー様」

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 クイーンリリーは命令を下すと、そのままその場から消えた。ホーネットリーとカラスリーは、二世怪人と戦闘員を伴い、スカーレットエンジェルとヴァイオレットエンジェルに迫った。
「小娘ども! よくも邪魔してくれたな。お前達を殺して、お前達の生首をクイーンリリー様に献上してやる」
「スカーレット。行くよ!」
「ヴァイオレット。油断しないで」
「かかれっ!!」
 戦闘員が二人のエンジェルに向かってきた。スカーレットエンジェルとヴァイオレットエンジェルはスティックをブレードに変え、向かってくる戦闘員に向かっていった。戦闘員は剣や槍を手に、次々と襲ってきたが、二人のエンジェルはブレードで次々と戦闘員を切り伏せた。
「ええいっ! 不甲斐ないやつらめ」
 焦れたカラスリーが前に出てきて、口を開くと、二人のエンジェルめがけて火炎を吐いた。火線が伸びていって、スカーレットエンジェルとヴァイオレットエンジェルとの間に到達すると、その場所で炎が勢いよく燃え上った。
「小娘どもをバーベキューにしてやる」
 さらに火炎が放射され、二人のエンジェルの周りを囲むように、あちこちで火が燃え広がった。
「スカーレット。これじゃ身動き出来ないわ」
「ヴァイオレット。弱音を吐いちゃダメよ」
 カラスリーは両手を前に出すと、指先からロケット弾を発射した。炎の中で立ち往生している二人のエンジェルに向かって、次々とロケット弾が飛んできて爆発した。スカーレットエンジェルとヴァイオレットエンジェルは爆発の中を駆け抜けると、カラスリーめがけてエネルギー波を放った。
「ダブルエンジェルスマッシュ!」
 しかし、エネルギー波はカラスリーに命中すると、カラスリーのプロテクターに跳ね返された。
「カカカカカーッ! そんなものが俺に通用するか」
 カラスリーはそう言うと、両目から破壊光線を発射した。
「危ない!!」
 二人のエンジェルは間一髪で光線をかわし。光線は二人の後ろから密かに迫ってきていたナメクジリーにまともに命中した。
「ギャァーッ!!」
 ナメクジリーは絶叫とともに前のめりに倒れ、そのまま爆発して吹っ飛んだ。
「あわわわ・・  し、しまった」
 カラスリーは狼狽したが、空へ飛び上がると上空から立て続けにロケット弾を発射してきた。二人のエンジェルはシールドを張って、飛んでくるロケット弾を跳ね返した。その隙を狙ってスネークリーが迫ってきて、両腕を伸ばしてきた。
「スカーレット危ない!」
 いち早く気付いたヴァイオレットエンジェルは、スカーレットエンジェルを突き飛ばし、自分に向かってきたスネークリーの腕をブレードで切り落とした。
「グァーッ!!」
 スネークリーは絶叫とともに七転八倒した。そこへホーネットリーが出てきて、額からレーザー光線を発射し、光線がスネークリーに命中して、スネークリーの身体から白煙が噴き出した。
「な、何故俺がやられるんだぁ」
「お前が役立たずだからだ!」
 スネークリーは白煙を吐きながら倒れて爆発した。
 戦いが始まって20分ほど経つと、戦闘員は二人のエンジェルに殆ど倒され、ついにホーネットリーとカラスリーだけになった。源太郎は詩織と久美子、気絶している結花とともに、物陰から成り行きを見守っていた。
「おのれ小娘ども! 殺してやる」

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 ホーネットリーとカラスリーそれぞれ身構えると火炎、レーザー、破壊光線、ロケット弾と、立て続けに発射してきた。二人のエンジェルの周辺で次々と爆発で地面が吹き上がり、二人は身を竦めた。
「クァーッ!」
「ビビビビビーッ!」
 ホーネットリーとカラスリー奇声を上げながらさらなる攻撃態勢をとった。スカーレットエンジェルはホーネトリーに向かって怒鳴った。
「やい! スズメバチの化け物! よくも私の体中を触って弄び、拷問でいたぶってくれたわね」
「何を小癪な! これでも食らえ」
 ホーネットリーは額からレーザーを発射した。
「エンジェルシールド!」
 スカーレットエンジェルはヴァイオレットエンジェルと一緒にシールドを張り、レーザーを跳ね返した。
「姉さん。行くよ!」
 スカーレットエンジェルとヴァイオレットエンジェルは、ブレードを片手に、ホーネットリーとカラスリーに向かってダッシュし、格闘戦を挑んだが、ホーネットリーとカラスリーは、これまでのエージェントと比べて戦闘力が高かった。ホーネットリーはサーベルで、スカーレットエンジェルのブレードを軽くあしらい、カラスリーのプロテクターは、ヴァイオレットエンジェルの攻撃を全て跳ね返した。ホーネットリーはスカーレットエンジェルのブレードがサーベルに触れた瞬間、衝撃波を放った。
「キャーッ!!」
 スカーレットエンジェルは衝撃で悲鳴を上げながら吹っ飛ばされ、地面を一回転した。カラスリーが嘴でヴァイオレットエンジェルを突いてきて、避けようとしてバランスを崩したヴァイオレットエンジェルに、カラスリーのキックが炸裂した。
「キャーッ!!」
 ヴァイオレットエンジェルはそのまま反動で地面に叩きつけられた。
「どうだ小娘ども! お前達など我々の敵ではないわ! クァーッ」
「そろそろ引導を渡してあげるわ! 覚悟しろ! ビビビビヒーッ」
 ホーネットリーとカラスリーは、勝ち誇ったように奇声をあげ、スカーレットエンジェルとヴァイオレットエンジェルに迫ってきた。ヨロヨロと立ちあがったスカーレットエンジェルは、同じように立ちあがったヴァイオレットエンジェルに向かって言った。
「姉さん。このままではやられてしまうわ。私が合図をしたらスマッシュを撃ってすぐジャンプして! やつらが態勢を崩したところを狙うしか、勝ち目は無いわ」
「うん。わ… 分かった」
 ホーネットリーとカラスリーはジリジリと二人に向かってきて、攻撃の態勢をとった。ホーネットリーが額からレーザーを放ち、カラスリーは口から火炎を放射した。
「今よ! 姉さん!!」
「エンジェルスマッシュ!」
 二人のエンジェルはエネルギー波を放ち、同時にジャンプした。レーザーと火炎がジャンプした二人のエンジェルの下を通りぬけた。一方、エンジェルスマッシュのエネルギー波は、ホーネットリーとカラスリーに真っ直ぐ向かっていったが、カラスリーはプロテクターで跳ね返し、ホーネットリーはサーベルを振り上げて跳ね返した。空中にジャンプしたスカーレットエンジェルとヴァイオレットエンジェルは、間髪をいれず、ホーネットリーとカラスリーに向かって急降下した。
「エンジェルキック!」
 攻撃を避けていたホーネットリーとカラスリーはエンジェルキックを避け切れず、それぞれのキックがホーネットリーとカラスリーに命中して、どちらも地面に叩きつけられて一回転した。しかし、たいしたダメージを受けておらず、すぐに二人に向かって攻撃の態勢に入った。その時大爆発が起こって、ホーネットリーとカラスリーは反射的にその方向を見た。源太郎がアジトに仕掛けた時限爆弾が爆発したのだ。
「アジトが爆発した」
「おのれ小娘ども」
 ホーネットリーとカラスリーはすごい形相で、二人に向かってきた。
「姉さん! 今よ!」
「オーケー!!」
 二人のエンジェルはブレードの切っ先を合わせた。すると、二人のエネルギーが閃光となって、巨大な渦を形成し、二人はそのままホーネットリーとカラスリーに切っ先を向けた。
「ダブルエンジェルトルネード!!」

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 エネルギー波が巨大な渦となって、ホーネットリーとカラスリーに向かっていき、ホーネットリーとカラスリーは避ける間もなく渦の中に吸い込まれた。
「クァーッ!!」
「ビビビビーッ!」
 激しい絶叫とともに、ホーネットリーとカラスリーは、光の渦の中で砕け散り、大爆発とともに木っ端微塵に吹っ飛んだ。
「やったぁスカーレット! やつらを倒したわ」
 ヴァイオレットエンジェルは、自分たちが勝った事を知ると、スカーレットエンジェルに向かって飛びついて、スカーレットエンジェルを抱き締めた。静寂が戻り、隠れて様子を見ていた源太郎が出てきて、スカーレットエンジェルとヴァイオレットエンジェルを労い、詩織も気がついた結花と久美子を連れて出てきた。
「やったな二人とも!」
「しかし驚いたネ… エンジェル戦士が二人いて、しかも二人とも同じ顔だったなんて」
「うん… 私達は一卵性双生児だから顔が同じだけど。でも、エンジェル戦士は私達だけじゃないんだよ。宇宙連邦警察に所属しているエンジェルは他にもいて、宇宙のあちこちで活躍しているのよ」
「そっか… そうだったね」
 詩織は納得したような素振りで、スカーレットエンジェルに言った。
「それより源太郎さん。結花ちゃんと久美子ちゃんは?」
「助け出して無事だ。ほら…」
 スカーレットエンジェルはヴァイオレットエンジェルから離れると、結花の方へ向かって歩み寄った。結花はスカーレットエンジェルの姿を見ると、小走りに駆け寄ってきて、スカーレットエンジェルの腕をつかんだ。
「美紀子さん… 美紀子姉さんでしょ?」
 スカーレットエンジェルは黙っていたが、結花が瞳に涙を浮かべているのを見て、結花の目を見ながら頷くと、そのまま変身を解いて美紀子に戻った。
「やっぱり美紀子姉さんだったんだ」
 結花は涙声でそう言うと、そのまま美紀子に抱き付いて泣きじゃくった。一方の久美子は落ち着き払った表情で、その光景をジッと見ていた。
「(美紀子姉さんがスカーレットエンジェルだったのか… 驚いたな… )」
 ヴァイオレットエンジェルはその光景を見ながら変身を解き、源太郎の方へやってきた。
「あの子は? スカーレットとずいぶん親しそうだけど」
「古川結花といって、俺の姉の娘なんだけど、スカーレットエンジェル、いや、美紀子を姉のように慕っているんだ。それよりも、君はこれからどうするつもりなんだ? 地球で暮らすには、今のままでは何かと不便だと思うんだが… 出来ることなら、美紀子と同様に私の養子にしてもいいんだ」
「そうだよ。美紀子と双子なんだし、美紀子と一緒に暮したら?」
「待って下さい。私はこの土地から離れるわけにはいかないんです」
「どうして?」
「不時着した宇宙船がそのままになってるから、何とかしないといけないんです」
「そうか… 確かにあれをそのままには出来んな。まあいい。それよりもここから早く引き揚げよう。結花と久美子ちゃんの事もあるし、いつまでもここにいるわけにはいかないだろう」
 最後に源太郎がその場を締め、皆はその場から引き揚げ始めた。美紀子とヴァイオレットエンジェルは再び変身し、テレポートで車を置いてあった場所へ戻って、源太郎は詩織、結花、久美子を乗せてペンションへ向かった。スカーレットエンジェルとヴァイオレットエンジェルはテレポートでペンションの近くに戻り、そこで変身を解いた。
 その頃… 皆が引き揚げたあとの公園広場を見下ろすように、クイーンリリーがレストハウスの屋根の上に立っていた。
「おのれ… スカーレットエンジェルにヴァイオレットエンジェル… この借りは必ず返してやる。今に見ていろ! 最後に笑うのはこの私だ」

        *       *       *       *

 スカーレットエンジェルとヴァイオレットエンジェルが、ペンション赤嶺のそばにテレポートしてから、しばらくして源太郎の車も戻ってきた。源太郎は戻ってくると、ペンションの電話を借りて、探偵事務所に電話をかけた。誠人が留守番として泊まり込んでいたからだ。
「もしもーし! おう誠人か… 姉さんは? そうか… ん? 大丈夫だ。結花も久美子ちゃんも無事だぞ。明日には帰るから、姉さんにも伝えておいてくれ」
 源太郎は電話を切ると、食堂に入ってきた。食堂では美紀子とヴァイオレットエンジェル、詩織、結花と久美子、誠一が雑談をしていた。
「結花。お前のことは知らせておいたからもう大丈夫だぞ。それから久美子ちゃんの方は、誠人が連絡を入れてくれるそうだ」
「ありがとうございます」
「それにしても今回は大変だったな… もしヴァイオレットエンジェルが来なかったらと思うと、ゾッとするよ。美紀子だけだったら確実にやられていた」
「私もそう思う… やつらは秘密結社を結成して、本格的な世界征服をやろうとしている。これからが本当の戦いなのかもしれない。ヴァイオレット。いや、姉さん。来てくれて本当にありがとう」
「水臭いよスカーレット。私達双子の姉妹じゃないの」
 そこへ源太郎が話しかけてきた。
「なあ… ヴァイオレットエンジェル。君も美紀子と同じように、私の養子にしようと思っているんだが、どうだろう?」
「でも… 私はここを離れられない」
 そこへ誠一が口を挟んできた
「だったら、ここで暮したらいいじゃん」
「え?」
「俺んちはペンションだし、君の宇宙船が落ちた場所は家の土地だから、カモフラージュするのは簡単だぜ。それに、君のような可愛い子がペンションを手伝ってくれれば、お客さんも沢山来るし、華やぐと思うんだ」
「あら… 誠一君。私の時と同じ事言ってるんだね」
 美紀子に言われ、誠一は顔を真っ赤にした。そばに居合わせた皆から、笑い声が出て、和やかな雰囲気になった。
「不時着した宇宙船が心配なのは分かるけど、美紀子と別々だっていいじゃないか。地球で暮らす以上、ヴァイオレットエンジェルのままでは何かと不便だぞ。美紀子と同じようにアメリカからの帰国子女として私と養子縁組みをして、地球人の名前にした方がいいと思うんだがな」
「そうだよ姉さん。そうした方がいいよ」
「分かりました。ご好意に甘えて、そうさせていただきます」
「よし。スカーレットエンジェルが美紀子だから、君の名前は『麻紀子』っていうのはどうかな?」
「麻紀子… ですか?」
「ああ… 私の姓をつけて、紅林麻紀子だ。不時着した宇宙船のことが気になるなら、誠一君が言うように、ここで暮してもいいんだぞ」
「ありがとうございます」
 そこへ買い物に行っていた和枝が帰ってきた。和枝は食堂に入ってくるなりビックリしたような顔で、美紀子と麻紀子を見た。

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「あら… 美紀子ちゃんが二人? あなた達一体… 」
 美紀子が、戸惑っている和枝に言った。
「私が美紀子で、隣にいるのは私の双子の姉の麻紀子なんです」
「あらあら… 美紀子ちゃん双子だったの? そうだったの。それで顔がそっくりなのね」
 さらに誠一が和枝に言った。
「今までアメリカで暮してたんだけど、今度日本に帰って来ることになったんだ。でも事情があって、こっちで暮さなければならないらしいんだ。それで… このペンションを手伝うという条件で、麻紀子を預かってもらいたいという、源太郎さんの頼みなんだけど… 」
「いいわよ。主人もきっと賛成するわ。これからまた忙しくなるし、是非手伝ってほしいわ」
「和枝さん。無理言ってすみません」
「いいのよいいのよ源太郎さん。私も娘が一人増えたような感じで嬉しいし」
 そう言って和枝は麻紀子の方を向いた。
「麻紀子ちゃんだっけ… 私は誠一の母親で、和枝っていうの。宜しくネ」
「よかったじゃん麻紀子。俺からも宜しく頼むぜ」
 誠一は麻紀子に向かって右手を差し出した。
「ありがとう。お世話になります」
 麻紀子は誠一の差し出した手を取り、握手した。
「誠一。そろそろ晩御飯の支度するから」
 和枝は誠一にそう言うと、食堂を出て厨房へ入っていった。
「分かった」
 誠一は立ちあがると、麻紀子の方を向いて言った。
「今日は何もしなくていいぜ。明日から本格的に手伝ってもらうから」
「分かりました。でも、明日から手伝うんだったら、今日から手伝いますから」
 そう言うと、麻紀子は誠一の後を歩いて厨房へ入っていった。その後ろ姿を見ながら、美紀子は源太郎に言った。
「源太郎さん。私だけじゃなく、姉さんまで養子にしてくれてありがとう」
「いいんだよそんな事。気にするなよ」
「でも、美紀子姉さんに双子の姉妹がいたなんて、驚いたな… それにスカーレットエンジェルが美紀子姉さんだったなんて」
 久美子がそう言うと、美紀子は結花と久美子に向かって言った。
「結花ちゃんに久美子ちゃん。この事は秘密にして。お願いね」
「分かってる」
 そこへ和枝が誠一、麻紀子と一緒に食事を運んできた。
「さあみんな。晩御飯が出来たわよ。暖かいうちに食べてね」
 食事が次々と運ばれてきて、テーブルに並べられた。源太郎は年長者らしく、皆に向かって言った。
「それじゃみんな。冷めないうちに食べようじゃないか」
 そう言って、源太郎はそれぞれの食事を皆に分け、美紀子も一緒に手伝って、それぞれに食事が行き渡った。」
「いただきまーす」

        *       *       *       *

 翌朝…
 朝食をすませた源太郎達は、鷲尾平に帰るため、車のエンジンをかけた。玄関から詩織を先頭に、結花、久美子が出てきた。
「それじゃ… お世話になりました」
「どういたしまして。また来てね」
「それじゃヴァイオレット… いや、麻紀子。また来るから、元気でね」
「美紀子も気をつけて。何かあったらすぐに飛んでいくから」
「それじゃ和枝さん。誠司さんによろしく。それから、麻紀子の事お願いします」
「心配しないで美紀子ちゃん。また遊びに来てね。いつでも大歓迎よ」
 誠一が美紀子のそばに来て声をかけた。
「麻紀子は、お前と同じように学校へ行くって言ってた。四月から俺が通っている高校に編入する事になったんだ」
 麻紀子は、美紀子が高校生として学校へ通っている事を聞き、自分も同じようにしようと考えて、昨日の夜に誠一に相談したのだった。それで、誠一の勧めもあり、誠一が通っている県立大滝高校に編入する事に決め、四月からの編入を目指して試験勉強を始めることにしたのである。
「麻紀子。勉強頑張ってね。編入できるといいね」
「ありがとう美紀子」
 源太郎達は、ペンション赤嶺の和枝と誠一、そして麻紀子の見送りを受けて、車を発進させてペンション赤嶺を後にした。

        *       *       *       *
 
 クイーンリリーは秘密結社ブラックリリーを結成し、ついに本格的な世界征服作戦を始めた。生贄として捕らえられた結花と久美子は、スカーレットエンジェル、ヴァイオレットエンジェルによって助けられ、強敵だったホーネットリーとカラスリーも、二人のエンジェルの共同攻撃によって倒された。しかし、クイーンリリーは、組織化された結社において、世界征服のための強力なエージェントを作りだし、再び挑戦してくるのだ。クイーンリリーが倒れて、ブラックリリーが滅びない限り、二人のエンジェルたちに休息は無いのである。

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 次回予告
 ☆双子戦士

 今回はゲストキャラが登場。春日萌と秋本結の二人は、十郎太氏が執筆したノベル『Lust For Life』のキャラクターで、本編では城北大学の学生として登場。
 秘密結社ブラックリリーは新たな征服作戦を展開し始め、エージェントの怪人アンコウリーが暗躍する。その作戦とは、殺人ヘドロで人類を絶滅させるという恐ろしいものである。たまたま実験現場を見てしまい、秘密を知ってしまった結と萌は、アンコウリーに襲われ、危ないところを美紀子たちに助けられる。

 次回、宇宙美少女戦士スカーレットエンジェル第15話 双子戦士にご期待ください


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テーマ : ライトノベル
ジャンル : 小説・文学