鷲尾飛鳥

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第39話『スカウトされたエンジェル』

2013年 10月02日 20:01 (水)

 
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 ここは鷲尾平市内にあるショッピングモールの一角である。そこにはイベント用のスペースがあって、中央にはステージがあり、周囲には観客席があって、多数の客が詰め掛けていた。今からここで現在放送中の特撮ヒロインのショーが始まろうとしていたのだ。客の内訳は7割くらいが子供で、あとは子供の保護者や、登場するヒロインのファンの若年層の人たち。そしてヒロイン目当てのマニアやオタクっぽい者も数人いた。
 特撮ヒロインは、某テレビ放送局にて現在毎週日曜日の朝8:00から放送中の『聖光美少女戦士ユリ』で、子供は勿論、若年層やマニアに至るまでの広範囲のファン層を獲得し、ドラマ自体は絶大の人気番組になっていた。そのため聖光美少女戦士はシリーズ物として路線変更され、ユリの放送終了後も続編として、来年度放送予定の第2作目、『聖光美少女戦士サヤカ』の制作と撮影がすでに始まっていたのである。さらにそのあとの作品も既に企画されていて、仮○ラ○ダーシリーズや往年の戦隊ヒーローのシリーズと同様の基盤を築きつつあった。

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 さて、現在放送中の聖光美少女戦士ユリの主演を務める、玉城友里(たまぐすくゆうり)は、沖縄出身の18歳。16歳の時に某芸能プロダクションからスカウトされて上京し、『我等! 中学生!!』という学園ドラマに生徒役で出演していたところを、某映画会社の特撮スタッフの目にとまり、聖光美少女戦士シリーズの第一作目である『ユリ』の主演女優として抜擢されたのである。そして次回作であるサヤカにも、先輩戦士としてのゲスト出演が決定していて、友里は二つの作品を掛け持ちしていた。さらに友里は歌唱力も抜群で、本人が歌っているユリの主題歌『聖なる光』は月間ランキングの上位に乗っかる勢いだった。また近日中に歌手デビューも決定していて、友里は役者だけでなく、アイドルとしての基盤も築きつつあった。

      *      *      *      *

「姉貴、まだか?」
 美由紀の家では、弟の篤志が、なかなか部屋から出てこない美由紀にイライラして、部屋のドアをノックしながら催促していた。
「お願いもう少し待って。女性の身支度は時間がかかるのよ」
「それは分るけど、姉貴の場合は『かかり過ぎ』っていうんだよ」
「分かったから。とにかくもうちょっと待って」
 それから二分くらいで美由紀が部屋から出てきた。篤志は美由紀のスタイルと化粧した顔を見て唖然とした・・・
「篤志お待たせ。行こうか」

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 美由紀と篤志は、駅へと向かっていった。
「しかし・・・ ヒロインのイベントへ行くくらいで、そんなにめかし込むことないじゃん。それにその恰好・・ まるでコスプレじゃんか」
「いいの。これは女性の嗜みなの。もしかしたら私がヒロインにスカウトされるかもしれないじゃない」
「姉貴が?? ・・・・ まさか・・ 」
「失礼な事言わないでよ。私だって夢があるのよ」
「夢・・・ か。よく考えてみると、実現すれば姉貴の事を自慢できるな・・ 」
「篤志だって、その容姿ならジ○ニ○ズにスカウトされそうじゃない」
「俺はそういうのは興味無し」
 言いあっているうちに駅に着いて、二人は電車に乗って鷲尾平へ向かった。

      *      *      *      *

 イベントの会場に着くと、観客席は客で埋め尽くされていた。
「うわ・・ すげえ・・ もういっぱいだよ。これじゃステージまで遠いな・・」
「ユリの人気凄いからね」
 美由紀と篤志の横から声がして、篤志が振り向くと佐緒里と佳奈子がいた。

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「佐緒里さんに佳奈子さん。おはようございます」
「美由紀さん。篤志君おはよう」
「おはよう。君たちも来たの?」
「はい。私たちもユリの大ファンなんです。テレビ毎週見てますよ。それに佳奈子ちゃんはユリの衣装まで作っちゃったのよ」
「佳奈子ちゃん衣装作るの好きなんだね。ウエスタンプリキュアの衣装、文化祭の時貸してもらったし・・」
「そうなの。今年の文化祭はユリの衣装を着てコスプレショーに出るのよ。お姉ちゃんは相変わらず呆れた顔してるけど」
「ところで美由紀さん。今日は絵里香さんと聖奈子さんは?」
「絵里香は孝一君とデート。聖奈子は全国実力模擬試験が近いから、勉強するって言って図書館に行ってる」
「あ・・ 始まるよ」

 ステージに司会者が上がってきた。
「お待たせしました。それでは今人気絶好調のテレビドラマ。聖光美少女戦士ユリの主人公、白瀬由理を演じる、玉城友里ちゃんのイベントを開催いたします」
 ファンファーレとBGMが流れ、観客の大きな拍手とともに、ユリの衣装を着た友里がマイクを持ってステージに上がってきた。
「みなさんこんにちは。玉城友里です」
 再び大きな拍手が響く。今度は司会者が語り始めた。
「えー・・ 皆さんも既にご存知かと思いますが、友里ちゃんは出演ドラマの主題歌も歌っています。そして・・ 友里ちゃんは来月歌手としてのデビューが決まりました! 」
「みなさん。よろしくお願いします」
 再び拍手と歓声・・・ そしてカメラのシャッター音が次々と響き、カメラのフラッシュが次々と光る。
「それではまず・・  聖光美少女戦士ユリのオープニング主題歌『聖なる光』を、友里ちゃんに歌ってもらいましょう」
 友里がステージの中央に立ち、再び大きな拍手が湧き上がった。

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 曲のイントロが流れ、友里が振り付けのポーズをとって歌い始めた。
「友里さん演技だけじゃなくて、歌もうまいんだね」
 佳奈子が感心したように呟く。

 やがて歌が終わり、再び大きな拍手と完成が響いた。
「みんなありがとう」
「友里ちゃん。どうもご苦労様でした。それでは今日のメインイベント! 聖光美少女戦士ユリとラグナ帝国の怪人たちとのショーを開催します」
 拍手が再び沸き起こり、友里が準備のためステージの裏へ行くと、緊迫感あふれるリズムのBGMが流れ、観客席の後ろの方から、突然奇声とともにラグナ帝国の怪人が戦闘員を伴って現れた。
「キャーッ!!」
「ワーッ!!」
 ヒーローやヒロインのショーでの毎度恒例の事である。怪人が現れるや否や、子供たちが一斉に叫び声を上げた。そして・・
「さあ。みんなでヒロインのユリを呼ぼう」
 司会者の声と同時に、子供たちが大きな声でユリを呼ぼうとした。が、怪人と戦闘員たちは、自分たちの近くにいた子供たちを捕まえ始め、観客席の外側に連れ出した。それを見た保護者やスタッフたちが慌てた。
「おい! シナリオが違うぞ」
「お前達一体何をしてるんだ」
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 観客席とその周辺がざわつき始め、2~3人のスタッフと数人の保護者たちが怪人と戦闘員の方へ駆け寄っていった。するとラグナ帝国の戦闘員が着ぐるみを脱ぎ捨てて、ネオ‐ブラックリリーの戦闘員の姿になった。
「イーッ!」
「な、何者だお前ら」
 戦闘員はやってきた保護者やスタッフの人たちを殴り倒した。そして怪人モスキラグナも着ぐるみを脱ぎ捨て、醜悪なコウモリ魔人の姿をさらけ出した。

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「ギギギギ-ッ。俺様はネオ‐ブラックリリーの改造人間、コウモリ魔人だ。このガキどもは我がネオ‐ブラックリリーが頂いていく」
 コウモリ魔人が合図をすると、周囲から次々と戦闘員が現れて、観客席にいた子供たちを次々と手にかけて拉致した。観客席にいた人たちは、ただならぬ状況にようやく気付き始め、逃げ惑う人たちでごった返してパニック状態になった。
「佐緒里ちゃん! ネオ‐ブラックリリーだわ。佳奈子ちゃんと篤志は隠れていて」
 美由紀はそう言いながら携帯を取り出し、緊急モードにして送信した。佐緒里は子供たちをさらおうとしている戦闘員に向かって飛びかかっていき、戦闘員と格闘戦になった。
 ステージの裏で待機していた友里は、いくら待っても呼び出しが無く、さらに周りが騒然としているのが気になって、ステージの方に出てきた。そしてそこで見た光景に愕然とした。
「な・・ 何なのこれ・・ 」
 そこへ戦闘員が友里に向かって襲いかかってきて、組み付いてきた。
「キャッ!」
 美由紀がステージの上に上がってきて、友里に組み付いてきた戦闘員を引き離し、ハイキックをお見舞いして戦闘員を吹っ飛ばした。
「友里さん。早く逃げてください」
「あなたは?」
 会話をしている間もなく、新手の戦闘員が次々と襲いかかってきて、美由紀と格闘戦になった。友里のイベントに同行していた特撮スタッフの一人である朝霞直人は、周りのパニック状態も忘れ、美由紀が戦闘員と戦っているシーンに見入っていた。そして美由紀の動きを見て目を輝かせた。
「すごい・・・・ あの子は使える・・・・ 技のきれといい動きといい・・ 是非とも聖光美少女戦士シリーズのヒロインにしたい」
 朝霞は我を忘れ、持っていたデジカメで美由紀を撮り続けた。

 戦闘員は次々と襲いかかってきて、友里にも組み付いてきた。
「ヤッ!!」
 友里は組み付いてきた戦闘員に、かけ声とともにハイキックを食らわせ、怯んだところをそのまま正拳突きをお見舞いして倒した。さらに美由紀の後ろから襲いかかろうとしている戦闘員の腕を手刀で撃って武器を払い落とし、正拳で突いて倒した。美由紀は呆気にとられた。
「友里さん・・ やりますね」
「私、空手三段なの。そういうあなたこそ凄いじゃないですか」

 一方、佐緒里は子供を連れ去ろうとしているコウモリ魔人と戦闘員を追ったが、別の戦闘員が阻むように襲いかかってきた。佐緒里はジャンプすると、空中で一回転しながら変身し、スカーレットエンジェルJrになって身構えた。

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「私はスカーレットエンジェルJr。化け物! 子供たちを返しなさい」
「小癪なガキめ。そうは問屋が卸さないぜ。者どもかかれっ」
 コウモリ魔人が合図すると、戦闘員が襲いかかってきて、佐緒里と格闘になった。佐緒里は戦闘員を斬り伏せるとコウモリ魔人を追った。
「待て! 化け物」
「しつこいガキめ! 片付けてやる。ギギギーッ」
 コウモリ魔人は口を開けると超音波衝撃波を放った。
 バシュウゥーン!!!
「キャアーッ!!」
 佐緒里は衝撃波をまともに喰らって悲痛な悲鳴とともに吹っ飛ばされ、地面に叩きつけられて気絶して変身が解けてしまった。
「ギギギーッ。ざまぁみろ」
 その隙にコウモリ魔人は、子供を抱えた戦闘員たちと一緒に逃げ出した。隠れていた佳奈子と篤志が出てきて、佐緒里の傍へ駆け寄った。
「佐緒里ちゃん。佐緒里ちゃんしっかりして」
「佐緒里さん」
 佳奈子と篤志は佐緒里を揺すったが、佐緒里は目を覚ます気配が無い。そこへ2台のオートバイがやってきて停止した。一台には聖奈子が、もう一台には絵里香と孝一が乗っていて、絵里香と聖奈子は停止すると同時に飛び降り、孝一もそれに続いた。佳奈子が悲鳴に近い声で絵里香と聖奈子を呼んだ。
「お姉ちゃん、絵里香さん。佐緒里ちゃんが」
 絵里香と孝一は佐緒里のそばへ行き、聖奈子はステージの方を見た。ステージの上では美由紀と友里が戦闘員と格闘していて、聖奈子はステージの方へ向かって駆け出した。戦闘員たちは聖奈子の姿を見ると、一斉に逃げ出してそのまま消えた。聖奈子はステージの上に一気に飛び上がり、美由紀のそばへ駆け寄っていった。
「美由紀、遅くなってゴメン」
「聖奈子。そんな事よりさらわれた子供たちを助けなきゃ」
 そう言いながら美由紀は観客席の方を見た。しかし子供をさらったコウモリ魔人と戦闘員は既に姿を消していて、倒れている佐緒里を介抱している絵里香の姿が遠目に見えた。
「いない・・  子供たちはさらわれてしまったんだわ」
 パニック状態だった観客たちも落ち着きを取り戻し、次々とイベント会場から逃げ出していて、会場には倒れて気絶している人を除くと誰もいなかった。聖奈子は美由紀の傍にいた友里の姿が目に入り、友里と視線が合った。友里は聖奈子と美由紀の傍へ寄ってきた。
「あの・・ あなたたちは、あの得体の知れない連中を知っているんですか?」
「奴等はネオ‐ブラックリリーといって、世界征服を企む秘密結社なのよ」
「ネオ‐ブラックリリー? 秘密結社?」
「すぐにはピンと来ないかも知れないけど、しいて言えば、友里さんが出演しているユリに登場するラグナ帝国みたいな奴等が、実際にいるって事よ」
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「・・・・・・」
 友里は話を聞いて呆然とした。そこへ友里のマネージャーや、イベントスタッフの人たちがステージに上がって来て、友里を庇うようにしてステージの下へ連れて行った。

「聖奈子、美由紀」
 入れ替わりに美紀子がやってきて、聖奈子と美由紀を呼んだ。二人が美紀子の方を見ると、美紀子の傍には数人の人たちが立っていた。
「美紀子さん。その人たちは?」
「このイベントで、ラグナ帝国の怪人や戦闘員の役をやるはずだった人たちよ。ステージ裏の楽屋の中で、縛られて転がされていたの」
「奴等・・ この人たちに成り代わっていたのか。イベントを利用して子供たちを狙っていたって訳ね。今度は一体何を企んでやがるんだ」
「さらわれた子供たちを助けなきゃ」
「二人とも。すぐに引き揚げるわよ」
「はい」
 聖奈子と美由紀は返事をしてから絵里香がいる方を見た。佐緒里は相変わらず気絶したままで、絵里香と孝一が介抱し、傍では佳奈子と篤志が心配そうに立っていた。

      *     *      *      *

 ここは鷲尾平の近郊に設置されたネオ‐ブラックリリーのアジトである。アジトの地下牢には、連れてこられた子供たちが次々と放り込まれ、牢の中からは泣き声や悲痛な叫び声が響いていた。そして一定の時間毎に、数人の子供たちが牢から出され、手術室のような部屋へと連行されていた。
「やめろーっ。放せぇ」
「助けてぇーッ」
「コウモリ魔人様。次のガキどもです」
「よし。そこの拘束台に並べて縛れ」
「イーッ」
 子供たちは次々に拘束台の上に縛り付けられ、点滴用の針を腕に刺されて、次々と血を抜き取られていた。子供たちの生命に関わらぬよう、抜き取る血液の量は決まっていたが、対象となる子供は大量に誘拐してきていたので、あっという間に大量の血液がストックされるに至った。さらに子供たちには、血を抜き取ると同時に、コウモリ魔人が体内に持っているビールスを植えつけられていた。このビールスが人の体内に入ると、コウモリ魔人の命令で動く操り人形になってしまうのである。
「コウモリ魔人様。ゼネラルダイア様がお呼びです」
「ギギギギーッ。分かった。子供たちを地下牢に戻せ」
 戦闘員たちは子供たちの拘束を解くと、地下牢へと連れて行った。

 司令室の扉が開き、コウモリ魔人は司令室に入ると、ゼネラルダイアに向かって敬礼した。
「大儀であった。コウモリ魔人。まだ子供たちの数が足りない。もっと誘拐してきて、子供たちの血を集めるのだ」
「ギギギーッ。かしこまりました。ゼネラルダイア様」

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 そこへ大首領クイーンリリーの声が流れてきた。
「ゼネラルダイア。血液を集めるだけでなく、コウモリ魔人のもう一つの能力を使い、社会の混乱を誘発させるのだ」
「ははっ。その作戦も既にコウモリ魔人に授けてあります」
「よろしい。コウモリ魔人の持つビールスで、子供たちを吸血鬼にし、解き放つのだ。吸血鬼となった子供たちは街中のいたるところで、次々と人々に襲いかかり、次々とビールスが感染して、街中が吸血鬼で溢れかえり、大混乱になるだろう」
 大首領のメッセージが終わった。
「コウモリ魔人。子供たちをさらうだけでなく、ビールスを植え付けてジュニア吸血鬼部隊を編成し、街中に解き放つのだ」
「ギギギーッ。かしこまりました」
「行けッ!」
 コウモリ魔人は司令室から出て行った。
「ふふふ・・・ 今に見ていろエンジェルスの小娘ども・・・ そしてスカーレットエンジェル。街中の子供が吸血鬼軍団となって、人々に襲い掛かるのだ。ハーッハッハッハ」

      *     *     *     *     

 イベント会場から引き揚げ、ANGELに集まっていた絵里香たちは、美紀子をまじえて話し合っていた。孝一はカウンターに、佳奈子と篤志は別のテーブルにいた。佐緒里はまだ気絶したままで、自分の部屋で寝かされていた。
「友里さん可愛そう・・ せっかくのイベントだったのに、奴等に利用されて滅茶苦茶にされたうえに、目の前で子供たちまで誘拐されるなんて・・ 」
「しかし・・ 子供たちを使って、一体何をしようとしてるんだろう」
「イベントやショーだけじゃなくて、他の場所でも複数の事件が起きているわ。既にもう30人近く誘拐されている。それに誘拐されているのは何故か小学生や中学生だけよ。これからもまだ被害が増えるかもしれない」
「小学生と中学生・・・ か・・ 」
「チキショー・・ ネオ‐ブラックリリーの奴等め」
 チリン・・・
 その時ベルの音とともに店の扉が開き、友里が朝霞とともに入ってきた。
「いらっしゃいませ・・ って、た・・ 玉城友里さん!?」
 出迎えた孝一がビックリし、孝一の声でみんなが友里の方を見た。友里は美由紀を見つけると、美由紀の傍まで小走りに駆けてやってきた。
「ここにいたのね。会いたかったわ」
 美由紀は椅子から立ち上がった。絵里香と聖奈子も立った。
「ゆ、友里さん・・ どうしてここが分かったんですか?」
 友里は自分と一緒に来た朝霞の方を見て、美由紀に紹介した。
「この人は私のドラマのスタッフの一人で、特撮を担当している朝霞直人さん。朝霞さんはこの鷲尾平に住んでいて、ここにも何度か寄った事があったそうなんです」
 朝霞は無言で頷き、友里は話を続けた。
「朝霞さんは、あなたがここによく出入りしているのを見かけていたそうなの。それで、お願いして案内してもらったんです。ここへ行けばあなたに会えそうな気がしたのよ」
 朝霞が美由紀の傍によってきて話しかけてきた。
「いやぁ・・ さっきの君の動き・・ 凄く良かったよ。格闘するときの技のきれといい、是非とも君を聖光美少女戦士シリーズのヒロインとして推薦したい」
「あ・・ ありがとうございます」
 美由紀は思いがけない言葉に戸惑った。スカウトされることを望んではいたのだが、まさか本当にスカウトされるとは思わなかったのだ。
「朝霞さんちょっと待って。この子に用があるのは私なのよ。朝霞さんの用件は、まず私の用を済ませてからにしてください」
「あ、ああ・・ 分かったよ友里ちゃん」
 朝霞は空いているテーブルの椅子に座り、友里は美由紀の方に向き直った。友里の真剣な眼差しに、美由紀はしっかりと友里を見据えた。
「あ・・ あの・・ 何でしょうか?」
 友里の目から大粒の涙が落ちてきた。
「ゆ、友里さん・・ あの・・ 」
 友里はそのまま美由紀に抱きついて、すがり付くように泣き出した。

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「悔しい・・ くやしいよ。イベント壊されて、子供たちが目の前で連れ去られるなんて」
「友里さん・・・ 」
 美由紀は何を思ったのか、抱きついている友里を引き離すと、友里に向かって言った。
「だったら私たちで、さらわれた子供たちを取り返そう。奴等をやっつけるのよ」
「え・・・・ ??」
 美由紀の言葉に友里は戸惑い、話を聞いていた聖奈子が驚いた。
「ちょっと美由紀。その人はあたし達と違って・・ 」
 そこまで言いかけたところで、絵里香が聖奈子の言葉を遮るように言った。
「分かりました。友里さん。やりましょう。私たちも一緒だから大丈夫。でも、絶対無理はしないで。そこにいる 美由紀と必ず行動を共にするようにして。それだけは約束してください」
「・・ 分かりました。約束します」
 友里はさらに何かを聞きたかったのだが、あえてそれ以上は何も言わなかった。美由紀はバッグの中からメモ帳を出すと、自分の名前と携帯番号を書いて友里に渡した。
「これが私の携帯番号です。何かあったときは、絶対に一人で行動しないで、私を呼んでください。それから、私の名前は城野美由紀。このANGELの近くにある明峰学園高校の二年生です。友里さん。これからもよろしくね」
「分かったわ。美由紀ちゃん。約束は絶対に守るわ」
 そう言って友里は右手を差し出した。美由紀もそれに応えて右手を差し出し、友里と握手した。

      *     *      *      *

 それから五日が経過した。イベントで起きた事件を境にして、それまで頻繁に起こっていた子供の誘拐事件や拉致事件はパッタリと無くなり、ネオ‐ブラックリリーの動きも全く無かった。平日なので絵里香たちは当然学校へ行っていた。そして昼休み、絵里香たちは屋上にいた。
「美紀子さんからの情報なんだけど、あれから子供たちの誘拐や拉致は全く無いんだって」
「ネオ‐ブラックリリーの動きも無し・・  奴等一体何をしようとしているんだろう」
「子供たちを誘拐しただけで作戦が終わりだなんて、絶対有り得ないわ」
 ピッピッピッ・・・
「着信だ」
 絵里香は携帯を開いた。
「美紀子さんだわ・・・ ハイ絵里香です」
「・・・ ・・・ ・・・ 」
「エ? 誘拐されていた子供たちがみんな家に帰ってきた? それ本当なんですか? ・・はい。
はい・・  はい分かりました。それじゃあとで」
 絵里香は携帯をポケットに入れた。
「絵里香、話聞こえたけど、さらわれた子供たちが帰ってきたんだって?」
「うん。いままでの事件に関係した子供たちが、みんなそれぞれの家に帰ってきたって」
「どういう事なのそれって・・」
「私に言われても困るわ」
「奴等の事だ・・ ただで帰すわけがない。きっと何かあるはずよ」
「ところで美由紀、例の友里さんからは何の連絡も無いの?」
「今のところは何も無いわ・・・ 」

      *     *      *      *

 放課後になって絵里香たちは校舎から出てきた。今日は部活が無いので、学校を出たらそのままANGELに向かうつもりだった。学校の敷地内を暫く歩いていると、後ろから声をかけられた。
「美由紀ちゃん」
 美由紀は呼ばれて振り向いた。すると、そこには自分たちと同じ制服を着た友里が立っていた。
「ゆ・・ 友里・・・ さん・・」

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「はーい。みなさんこんにちは」
「友里さんその制服・・ 」
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「あ・・ これね。私のマネージャーが持ってたんで、お願いして借してもらったの。マネージャーはこの学校の出身で、君たちより六年先輩の人なの。私、高校時代ってずっと芸能活動ばっかりだったから、満足に学校行ってなかったのよ。だから・・ 高校生活って凄い憧れなの」
「でも友里さん凄く似合ってますよ。スカートの丈がちょっと気になるけど」
「ありがとう美由紀ちゃん」

 絵里香たちが校内で友里と会話していた頃、町の中では恐ろしい事が起こっていた。コウモリ魔人によって拉致され、ビールスを植え付けられて帰された子供たちが、コウモリ魔人に操られて吸血鬼と化し、街を行く人々に一斉に襲いかかったのである。特に小学校や中学校の中では、吸血鬼にされた生徒達が、他の生徒達や教師達に襲いかかって、襲われた生徒や教師達が次々と噛み付かれて血を吸われ、ビールスの感染によって次々と吸血鬼化していった。
 そして佳奈子と佐緒里の通う第一中学校でも・・・ コウモリ魔人の操り電波によって生徒の一部が突然吸血鬼化し、周りの生徒達に襲いかかって次々と仲間を増やし、学校中がパニックになった。佳奈子と佐緒里のクラス内でも大騒ぎになり、教室の中は悲鳴と怒号が飛び交った。
「どうなってるの?」
「佳奈子ちゃん。逃げるよ。これじゃ収拾がつかないわ」
 佐緒里と佳奈子は他の生徒達と供に教室から飛び出した。二人は一目散に屋上に駆け上がり、佐緒里は走りながら携帯の緊急モードをオンにした。屋上に駆け上がった二人だったが、屋上にも吸血鬼になった生徒たちがいて、二人を見つけるとジリジリと近寄ってきた。

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「佐緒里ちゃん・・ 怖いよ」
「佳奈子ちゃん落ち着いて」
 佐緒里はスカーレットエンジェルJrに変身するポーズをとった。
「待てぇ小娘!!」
 声と供にコウモリ魔人が空から降りてきて着地した。
「ネオ‐ブラックリリーの怪人!!」
「いかにも。俺様はコウモリ魔人様だ。小娘。変身してみろ。その場でここにいるガキどもを、俺様の超音波衝撃波で皆殺しにしてやる」
「卑怯者!!」
「何とでも言いやがれ。それっ!! ガキどもを捕まえろ」
「イーッ!」
 コウモリ魔人の合図で戦闘員が姿を現し、佐緒里と佳奈子に組み付いて二人を捕えた。
「嫌あ―っ。助けて。たすけて」
「大人しくしろ!」
 戦闘員たちは二人のみぞおちを殴って気絶させた。
「連れて行け!」
「イーッ!」
 戦闘員たちは気絶した佐緒里と佳奈子を担ぎ上げると、学校の外へと連れ出していった。

 学校を出てANGELへ向かっていた絵里香たちと友里は、その途中で集団下校中の小学生たちとすれ違った。すると突然、小学生たちは絵里香たちを取り囲むようにして迫ってきた。
「絵里香、何だか様子が変だよ」
 美由紀がそう言うや否や、小学生たちの目つきが突然鋭くなり、口から牙を生やして、絵里香たちに向かってきた。
「ウガアァーッ!!」
 一人が奇声を上げながら美由紀に飛びかってきて、美由紀は間一髪でそれをかわし、隣にいた友里を庇うような体勢をとった。
「絵里香、聖奈子。気をつけて! この子達みんな正気じゃないわ」
「やつらに操られている・・・ 恐らく細菌かビールスを植え付けられているんだわ」
 他の小学生たちも次々と絵里香たちに襲いかかってきた。しかし子供たち相手に戦うわけにも行かず、絵里香たちは襲ってくる子供たちをかわしながら逃げる体勢をとった。
「絵里香、分かったよ。ネオ‐ブラックリリーが子供たちを帰してきたわけが」
「こういう事だったのね」
「子供たち相手に戦うことは出来ないわ。ここはひとまず逃げた方がいいわ」
「友里さん。逃げるよ」
 美由紀は友里の手を握ると手を引いて走り出し、絵里香と聖奈子もその場からダッシュして逃げ出した。小学生達たちは奇声を上げながら後ろから追いかけてきたが、子供と大人の差で、何とか振り切ってANGELの前まで来ると、美紀子が入口の所に立っていて、絵里香たちに向かって怒鳴った。
「みんな早く!」
 絵里香たちはそのまま店内に飛び込み、美紀子は扉を閉めると鍵をかけた。そしてすぐに外の様子を見たが、誰も追いかけてきている様子はない。
「みんなこっちへ来て」
 絵里香たちは美紀子に促され、店内の奥の方へ行った。
「絵里香。孝一君には絶対家から外へ出ないように連絡しておいたから」
「はい・・ それで美紀子さん、もう外の様子を知っていたんですか?」
「知ってたわ。ネオ‐ブラックリリーに学校が襲われたって、佐緒里から緊急通信が入ったのよ。恐らく今、町中の小中学校は吸血鬼騒ぎで大変な事になっているわ」
「奴等また学校を狙っているのか・・ それで佐緒里ちゃんは?」
「まだ帰ってきてないわ。何だか嫌な予感がする・・・ 」
「佳奈子大丈夫かな・・ 」

      *     *      *      *

 アジトの一室では、捕まった佐緒里と佳奈子が壁に手足を鎖で繋がれ、ゼネラルダイアとコウモリ魔人の前で晒されていた。

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「ギギギギーッ。これから楽しいショーの始まりだ。お前達にも俺様のビールスを植え付け、吸血鬼にしてやる」
「お前ら何企んでんのよ!? こんな事で私は絶対に負けないわ」
 バシイィーン!!
「グ・・・・」
 ゼネラルダイアの鞭が佐緒里を叩きつけ、佐緒里は叫ぶのを堪えた。
「嫌あーっ。佐緒里ちゃん」
 佳奈子の悲鳴が室内に響き、佐緒里は毅然とゼネラルダイアらを睨みつけて見据えた。
「ふん・・ もっと怒れ。もっとその感情を我々に向けるのだ。その力はそのまま吸血鬼のパワーになって、お前の肉体を支配するのだ。コウモリ魔人、やれっ」
 コウモリ魔人が佳奈子に近寄ってきた。
「まずお前からだ」
「嫌あーっ!! 来ないで。来ないでえーッ」
「やめろ化け物! やるなら私にやれ」
 コウモリ魔人は構わず佳奈子に組み付き、首に牙を突きたてた。
 ガプッ
「嫌アアァァーッ・・・・・・あぁ・・ 」
 噛み付かれた佳奈子は悲鳴と供にそのまま失神した。
「おい! スカーレットエンジェルのガキ。次はお前だ」
 コウモリ魔人は佐緒里に組み付くと、佳奈子にしたように佐緒里の首に噛み付いた。必死で痛みと違和感に耐える佐緒里だったが、体内にビールスを植え付けられて、ついに上の空のような表情になった。コウモリ魔人は佐緒里の頬を続けざまに引っ叩いた。
「グウウゥゥ・・」
 佐緒里は唸り声を上げながら、その顔が恐ろしい吸血鬼の顔に変化し、体を揺すって暴れだした。手足の鎖がジャラジャラと鳴って室内に響く。

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「ざまぁみろ。スカーレットエンジェルのガキめ。俺様のビールスの効き目は抜群だ。スカーレットエンジェルのガキといえども、こうなるのだ。こいつらを使ってエンジェルスの小娘どもを片付けてやる。おい。そっちのガキの鎖を外せ」
 コウモリ魔人は佳奈子を指差して、そばにいる戦闘員たちに命令した。
「イーッ」
 戦闘員たちは佳奈子の拘束を解き、気絶していた佳奈子は戦闘員たちに支えられながら床に横にされた。
「このガキはやつらの元へ帰してやれ。ギギギギーッ」
「イーッ」
 戦闘員たちは佳奈子を抱え上げると、室外へ出ていった。

 ANGELの中では、絵里香たちが悶々の想いで話し合っていた。友里もスタッフやマネージャーと連絡が取れず、ANGELから出る事が出来なかった。
「これじゃ危なくて外に出られない・・・ 奴等とんでもない事を始めたわね。人間相手に戦うことは出来ないわ。子供たちならなおさらよ」
「佐緒里は帰ってこないし、もしかして・・ 」
「佳奈子とも連絡がつかない・・ 」
「美由紀、篤志君は?」
「さっき電話したら家にいるって。絶対に外へ出ないように言っておいた」
 その時聖奈子の携帯に着信が入った。
「佳奈子だ・・ もしもし・・ あんた無事だったの? うん・・ そう・・ 分かった。絶対外へ出ちゃダメよ。あたしも今から帰るから」
 聖奈子は携帯の電源を切ると、扉の方へ向かっていき、扉の傍の窓から外の様子を見た。特に怪しいような雰囲気は無い。聖奈子は美紀子の方を向いて言った。
「あたし、佳奈子が心配だから家に帰るね」
「ちょっと聖奈子」
 聖奈子は返事もせずに店の外へ出て、自分の家の方へ向かって駆けていった。

 家に帰って中に入った聖奈子だったが、部屋の中は全く電気がついておらず、真っ暗だった。
「おかしい・・ ママも佳奈子も帰ってきてるはずなのに・・」
 玄関の電気をつけると、玄関には佳奈子と祥子の靴がある。
「ママも佳奈子も帰ってる・・ どういうことなの? 何だか嫌な予感がする・・ 」

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 聖奈子は廊下の電気をつけると、音をたてないように用心深く廊下を歩いた
 ガタン・・・・
 突然の音に聖奈子は一瞬身を竦めた。
「リビングだ・・・ 」
 聖奈子はリビングのドアにへばりつくと、ゆっくりとドアを開けて真っ暗な室内を見ながら、ドアのそばにあった電気のスイッチを入れた。室内が明るくなり、中の様子が良く見えるようになった。ソファの上に祥子が横たわっている。
「ママ!」
 聖奈子は母親の祥子のそばへ駆け寄ると、祥子の体を軽く揺すったが、目を覚ます気配が無い。聖奈子はそのとき祥子の首筋に、傷があるのを見つけた。
「これは・・ 」
 傷を見た聖奈子は反射的に祥子のそばから離れた。そのとき後ろから誰かが近寄ってくるのを感じて、聖奈子はゆっくりと振り向いた。
「何だ・・ 佳奈子か。何で家中の電気が消えてんのよ」
 佳奈子は返事もせずに突然聖奈子に抱きついてきた。
「ちょっと佳奈子。いきなり何すんのよ! 離して」
 聖奈子は佳奈子の首筋にも祥子と同じ傷があるのを見た。
「まさか・・・・ 」
「キエェーッ」
 佳奈子は突然奇声を上げ、聖奈子の首筋に噛み付こうとした。佳奈子の顔は青白く、目つきが鋭くなって、口から長い牙が生えている。
「くそっ! 佳奈子!  離せ!」
 その時ソファに横になっていた祥子が目を覚まし、佳奈子同様、聖奈子に組み付いてきた。
「ウガァーッ! 血だぁ。お前の血をよこせぇ」
 聖奈子はあらん限りの力を振り絞り、組み付いていた祥子と佳奈子を引き離してそのまま突き飛ばした。
「ママ、佳奈子。許して」
 聖奈子は祥子と佳奈子のみぞおちを殴って気絶させてから、携帯電話を出して美紀子に緊急通信を送った。

 20分くらい経過して、美紀子が絵里香と一緒に家にやってきた。
「どうしたの聖奈子」
「美紀子さん。大変なんです。ママと佳奈子が」
 リビングに入った美紀子は、気絶している祥子と佳奈子のそばへ行き、二人の状態を見た。美紀子も二人の首筋についている傷を確認した。
「絵里香、聖奈子。手伝って。すぐに病院へ運ぶから」
「はい」
 絵里香と聖奈子は気絶している祥子と佳奈子を家から運び出し、外に停めてあった美紀子の車に乗せた。聖奈子は自分の部屋から着替えを持ってくると、車庫から自分のバイクを出してエンジンをかけた。
「美紀子さん、美由紀は?」
「友里さんと一緒にANGELにいるわ。聖奈子、お母さんと佳奈子ちゃんが心配なのは分かるけど、すぐ絵里香と一緒にANGELに行ってあげて」
「はい」
 聖奈子はアクセルをふかすと、絵里香を後ろに乗せてバイクを発進させた。美紀子は車を発進させると、そのまま城北大学へと向かった。そして大学に到着すると、吸血鬼にされてしまった祥子と佳奈子を、厳重隔離の態勢で付属病院に入院させてから、そのまま自分の研究室に入った。

      *     *      *      *

「ジュニア吸血鬼軍団の成果は上々です。既に近隣の小学校と中学校の教師や生徒は、殆ど吸血鬼と化し、俺様の命令一つでいつでも行動させることが出来ます」
「コウモリ魔人。邪魔になるエンジェルスの小娘どもと、スカーレットエンジェルを片付けるためには、ジュニア吸血鬼軍団は欠かせない。やつらは人間相手には絶対に戦えない。ましてや子供相手ならばなおさらだ」
「おっしゃる通りです。捕えたガキの一人を吸血鬼にして帰してやりました。今頃エンジェルスの小娘どもは、俺様の力を知り、震え上がっていることでしょう。それにスカーレットエンジェルのガキも吸血鬼となり、我が手中にあります。奴等が助けに来たときの驚きようが手に取るように想像できます」
 スピーカーから大首領の声が響いた。
「学校に狙いをつけた作戦は賞賛に値する。一度に大量の吸血鬼軍団を編成できるからな」
「ははっ。大首領様。お褒めに預かり、光栄至極に存じます」
「では早速編成した吸血鬼軍団を使い、小娘どもを片付けるのだ」

      *     *      *      *

 美紀子は研究室で、祥子と佳奈子から採血した血液を、電子顕微鏡を使って調べていた。モニターに映っている物体を見た美紀子は呟いた。

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「どうやらこれはビールスの一種だわ。奴等が作り出したものだろうけど、ビールスならば抗生物質とワクチンが作れるかもしれない」
 美紀子は数種類の薬品を取り出すと、サンプルの血液に混ぜた。
「これでよし・・・ 反応が出るまでには少々時間が必要ね・・ 」
 そこへ白衣姿の男が扉をノックして室内に入ってきた。秋元教授だった。
「紅林先生。失礼します」
「あ。秋元先生。夜分お呼び出しして、すみません」
「いえいえ・・ 今日はたまたま当直だったんで。それで状況はどうですか?」
「現在分析中です。それよりも、吸血鬼になった二人の血液から、新種のビールスが見つかりました。間違いなくやつらが作り出したものです」
「そうでしたか・・」
「結果が分かり次第連絡しますので、よろしくお願いします」
「分かりました。それでは私は宿直室にいますので、明日の午前八時までの間に何かあったら呼んでください」
「はい。いろいろとありがとうございます」
 秋元教授が室外へ去り、美紀子は携帯電話を取り出すと絵里香に電話した。

 その頃絵里香たちはANGELの店内で、不安そうな表情でお互いの顔を見合っていた。そこへ絵里香の携帯に着信が入った。
「もしもし・・ 美紀子さん。どうなんですか?」
「・・・ ・・・ ・・・」
「はい・・ はい。分かりました」
 絵里香は携帯を切った。母と妹が心配な聖奈子は居ても立っても居られないといった感じで、絵里香に食ってかかった。
「絵里香! どうだったって?」
「聖奈子落ち着いて」
 絵里香は聖奈子を引き離すと、ゆっくりと話し始めた。
「聖奈子のお母さんと佳奈子ちゃんの体内から、奴等が作り出したらしいビールスが見つかったって。おそらくそのビールスのために、吸血鬼化したのよ」
「すると町で襲ってきた子供たちも」
「奴等のビールスに感染しているって事ね」
「畜生・・ ネオ‐ブラックリリーのやつらめ・・  ママと佳奈子に酷い事しやがって」
「許せない・・ そんな事。あいつら、まるでラグナ帝国みたいなやつらだ。そんな奴らが本当にいるなんて・・」
「佳奈子ちゃんが吸血鬼にされたって事は、佐緒里ちゃんも・・ 」
「絶対に奴等に捕まっている・・・ 」
「ねえ・・ 何とかしないと、犠牲者が増える一方よ」
「絵里香、それで美紀子さんは?」
「今日は大学の研究室に泊まり込むって。分析結果が出次第知らせるって言ってた。それで、やつらに備えてすべての扉を厳重に施錠して、セキュリティシステムを作動させるよう言っていた」
「待って。みんな静かにして!」
 友里は何かを感じたのか、店内のあらゆる所を見回した。
「友里さん、どうかしたの?」
「そこだ!!」
 友里はテーブルの上にあったタバスコ入りの瓶をつかんで投げつけた。
 バシッ!!
「キィーッ」
 奇妙な叫びと供に、タバスコの瓶と小型の物体が床の上に落ちてきた。
「何??」
 絵里香が物体に近づくと、それは小型のコウモリだった。
「コウモリ・・ ???  精巧に作られたロボットだわ」
 ロボットコウモリは片方の羽を折られて床の上でバタバタともがいている。
「奴等が差し向けたスパイロボットってところね。あたしたちを見張っていたんだわ」
「いったい何処から入ってきやがったんだ」
「このロボットが出している電波の周波数を手繰れば、やつらのアジトが分かるかもしれない」
 絵里香はロボットコウモリを拾うと、テーブルの上においた。これはコウモリ魔人の作戦で、ワザとアジトの場所を探らせて、みんなを誘い込もうというものだった。

      *     *      *      *

 翌日の早朝・・ 
 美紀子は起きるとすぐにサンプルを調べ、その中の一つが反応を示しているのに気付いた。
「しめた・・ 反応しているサンプルがある」
 美紀子はさらに細かく分析するため、反応のあったサンプルを電子顕微鏡で調べてみた。
「ビールスが変質して抗体になりかかっている・・・  よし」
 美紀子は反応があったサンプルと同じものを作成して、同様の実験を行った。今度は数十分でサンプルが化学反応を起こした。
「これで解毒剤と予防ワクチンが作れる」
 美紀子は室内に会った電話で、当直の秋元教授を呼び出した。しばらくして秋元教授が室内に入ってきた。
「おはようございます。失礼します」
「秋元さんおはようございます。朝早くごめんなさい」
 そう言って美紀子はサンプルを秋元に見せた。
「なるほど・・ 分かりました。八時過ぎには萌も来ますんで、あとは私と萌と助手とで何とか出来ます。早くあの子たちの所へ行ってあげてください」
「ありがとうございます。それでは後をよろしくお願いします」
 美紀子は研究室を出ると、駐車場に停めてあった自分の車に乗り込み、ANGELへと向かって発進した。

      *     *      *      *

 その頃ANGELでは、絵里香が起きて店内に入り、朝食の準備を始めた。しばらくして聖奈子と美由紀、友里もそれぞれ続いて店内にやってきた。
「絵里香おはよう」
「みんなおはよう。さっき美紀子さんから電話があって、ビールスのワクチンと解毒剤が出来たから、もう大丈夫だって」
 絵里香の話を聞き、周りの空気が和んだ。
「それから、例のロボットコウモリから出ていた電波で、アジトの場所も大体分かったわ。今度は私たちが攻撃を仕掛ける番よ」
 そこへ美紀子がANGELに戻ってきて、店内に入ってきた。
「美紀子さん!」
 絵里香たちは美紀子の傍へ駆け寄った。
「みんな。もう大丈夫よ」

      *     *      *      *
 
 それから約二時間後・・
 絵里香たちは美紀子と友里を伴い、雑木林に囲まれた鷲尾平市郊外にいた。みんなの視線は林の中にある大小数件の古ぼけた建物の一つを向いていた。

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「電波はあの建物から出ている。おそらくあの中に奴等のアジトがあるわ」
 絵里香たちは美紀子が作った即席のワクチンを飲んでいたので、コウモリ魔人のビールスに感染する危険は無くなっていた。
「みんな行くわよ」
「はい」
 絵里香たちは用心深く進み、建物に近づいた。そこへ・・
「イーッ」
「イーッ」
 突如戦闘員があちこちから姿を現し、絵里香たちを遠巻きに包囲した。さらにコウモリ魔人も姿を現し、小学生や中学生くらいの男女の集団が出てきた。
「ギギギギーッ。待っていたぞ」
「出たわね化け物!」
 絵里香たち三人は、美紀子と友里の外側で、二人に背中を向ける格好で身構えた。
「奴等・・  吸血鬼にした子供たちまで従えている」
「ざっと見て50人はいるわ・・・」
「どうするの美紀子さん」
「友里さんは私についてきて。子供たちをあの倉庫に誘い込むのよ」
 美紀子は数件の建物の中の、大きめの倉庫を指差した。
「絵里香たちは魔人と戦闘員を頼むわ。それにアジトには佐緒里が囚われているはずだから、助け出して」
「分かりました」
 絵里香と聖奈子、美由紀はかけ声とともに変身した。それを見た友里は眼をまん丸くして驚いた。
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「み、美由紀ちゃん・・ それに・・ あなたたちは一体・・ ???」
「友里さん。今まで黙っててごめんなさい。私たちは本物のエンジェル戦士なの」
「エンジェル・・ 戦士・・ すごぉい。戦士って本当にいたんだ・・・ 」

「エンジェルスの小娘どもは、子供相手には手も足も出ないのだ。それっ。者どもかかれえっ!!」
「ウガアァーッ」
「キエェーッ」
 子供たちが駆けだして一斉に向かってきた。絵里香たちはジャンプして、向かってくる子供吸血鬼軍団を飛び越え、コウモリ魔人の近くに着地した。
「卑怯者! てめえら絶対許さねえ!」
「何を小癪な。かかれっ」
 コウモリ魔人の合図で、戦闘員が一斉に絵里香たちに襲いかかってきて、格闘戦になった。

 一方美紀子は、友里を連れて逃げるふりをして、子供吸血鬼軍団を誘い込むように倉庫の中に飛び込んだ。
「奥の方まで引き付けて」
 子供吸血鬼軍団は、誘いに乗って倉庫内に入り込み、奇声をあげながら迫ってきた。
「友里さん。その辺のものをバリケードにして、通路を塞ぐのよ」
 美紀子と友里は部屋の中にあった大きな板切れや机、椅子などを運んで通路を封鎖した。
「急いでそっちから出て」
 美紀子は空いている方の通路を指差し、そこから出入り口に向かって走った。奥の方では子供軍団がバリケードの前に群がり、バリケードを動かしていた。
「入り口をふさいで、出てこられないようにして」
 外へ出た美紀子と友里は、倉庫の出入り口の扉を閉めると、閂を閉じた。
「その辺のものを持ってきて、扉の前において」
 友里は美紀子と一緒に、近くにあった古タイヤや廃棄物を運び、出入り口の扉の前に置いた。しばらくすると、内側から扉をドンドンと叩く音と奇声や蛮声が聞こえてきた。
「これでしばらくは大丈夫・・ 」


 絵里香たちは、アジトがある建物の前で、戦闘員相手に格闘していた。
「ええいどけどけ!」
 コウモリ魔人が割って入ってきて、口を開けて衝撃波を放った。
「絵里香危ない!!」
 聖奈子が叫び、絵里香は体を捻った。衝撃波は絵里香の脇ギリギリを抜け、後ろにいた戦闘員を直撃して、戦闘員が粉々に消し飛んだ。
「絵里香。あたしと美由紀で、ここで食い止めているから、アジトに突入して佐緒里ちゃんを助け出して」
「分かった」
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 聖奈子はソードと楯を、美由紀はバトンをだしてコウモリ魔人と戦闘員に向かって身構え、絵里香は聖奈子と美由紀の後ろからまわってアジトの入り口に向かって駆けた。そして入り口付近にいた戦闘員と格闘して倒すと、そのままアジトの中に突入した。階段を下りて地下回廊に入った絵里香は、時々現れる戦闘員を倒しながら、真正面に見えた部屋の扉を蹴破って中に入った。そこは地下牢のような作りになっていて、壁には数組の吊り手枷がぶら下がり、その中の一つに気絶した佐緒里が繋がれていた。
「佐緒里ちゃん!」
 絵里香は佐緒里の方へ駆けようとしたが、戦闘員が襲いかかってきて、格闘になった。絵里香のハイキックが炸裂して、戦闘員が吹っ飛ばされ、そのまま繋がれている佐緒里の体にぶつかった。その衝撃で気絶していた佐緒里が目を覚ました。
「ウガアァーッ!!」
 佐緒里は野獣のような叫び声を出して暴れだし、四肢を繋いでいる鎖がジャラジャラと鳴った。絵里香は佐緒里に近づこうとしたが、佐緒里の顔が青白くなっていて、目つきが鋭くなり、口から牙をはやしているのを見た。そして首筋には咬まれた跡がある。

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「佐緒里ちゃんまで・・・ これじゃ手がつけられない・・ そうだ。ワクチンがあるんだ」
 絵里香は美紀子から預かったワクチンを取り出すと、暴れる佐緒里を押さえ付け、素早く佐緒里の口の中に入れて、そのまま飲み込ませた。すると青白かった佐緒里の顔が生気を取り戻し、口から出ていた牙が無くなって、正気に返った。
「絵里香さん・・・ 」
「佐緒里ちゃん。もう大丈夫だよ。いま外してあげるから待ってて」
 絵里香は佐緒里の両手と両足の枷を外した。
「佐緒里ちゃん。すぐに外へ出るよ」
「絵里香さん、佳奈子ちゃんは?」
「美紀子さんが病院に連れて行って、いま入院してる。大丈夫よ」
 絵里香は佐緒里を連れて、地下回廊を出口に向かって急いだ。出入り口から出ると、聖奈子と美由紀がコウモリ魔人と戦闘員相手に戦っているのが見えた。
「佐緒里ちゃんは隠れていて!」
「はい」
 絵里香は聖奈子と美由紀の方へ向かって駆けていくと、向かってきた戦闘員相手に戦いを始めた。

 聖奈子と美由紀は、襲いかかってくる戦闘員と戦い、次々と倒していった。そこへコウモリ魔人が空中を飛んで襲いかかってきた。コウモリ魔人の蹴りが美由紀を直撃し、美由紀は悲鳴とともに地面を転がった。
「ギギギーッ。俺様の衝撃波で木っ端微塵にしてやる」
 コウモリ魔人が口を開いた。
「美由紀危ない!」
 聖奈子が素早く美由紀の前に立ち、楯をコウモリ魔人に向けた。衝撃波が放たれ、聖奈子の楯に命中して跳ね返って、そのままコウモリ魔人の左の翼に命中した。が、聖奈子も衝撃の反動でひっくり返って尻餅を付いた。
「ギギギギーッ」
 コウモリ魔人は、空中をフラフラと舞いながら、地上に落下してきて地面に激突した。ひっくり返って尻餅を付いた聖奈子は、立ち上がるとコウモリ魔人に向かって突進していき、ソードでコウモリ魔人に斬りつけた。
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「ギエェーッ! ギギギギーッ」
「化け物覚悟しろ! 今のはママの分よ。今度は佳奈子の分だ!」
 聖奈子は返す刀で再びソードで斬りつけ、コウモリ魔人の右の翼を切り落とした。コウモリ魔人は斬りつけられた部分から火花を激しく吹き出しながら悶絶した。そこへ絵里香と美由紀が駆け寄ってきた。
「今だ! 化物にトドメをさすのよ」
 絵里香たちは武器を手に身構えると、一斉にコウモリ魔人に武器の切っ先を向けた。
「トリプルエンジェルトルネード・アタック!」

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 三人のエネルギー波が渦を描きながらコウモリ魔人に吸い込まれ、コウモリ魔人はその渦の中でのたうち回りながら爆発して吹っ飛んだ。
「やったあ!」
 絵里香たちは、それぞれポーズをとってからお互いにハイタッチした。隠れていた佐緒里も、絵里香たちの元に駆け寄ってきた。
「みんなーっ」
 遠くから美紀子が絵里香たちを呼んでいた。
「そうだ・・ 美紀子さんと友里さんが、子供吸血鬼軍団を相手にしていたんだ」
「みんな早く行こう」
 絵里香たちが美紀子と友里のいる場所まで来ると、美紀子と友里はバリケードで出入口を封鎖した倉庫の前に立っていた。
「みんな手伝って。バリケードをどけて出入口を開けるから」
「でも、中には子供の吸血鬼が・・」
「魔人がやられたんで、みんな中で気絶しているわ」
 絵里香たちは出入り口の周りにある物を次々と取り払い、出入り口が開けられるようにした。美紀子は閂をはずすと、倉庫の扉を開けた。中では子供たちが全て気を失って倒れていた。そこへ二台のライトバンが乗り付けてきて、倉庫のそばに停まり、中から白衣姿の人たちが降りてきた。その中の一人は秋元教授だった。
「お待ちしていました。みなさんこっちです」
 美紀子は降りてきた人たちを倉庫の中に誘導した。
「美紀子さん。この人たちは?」
「城北大学の研究室の人たち。私が連絡しておいたのよ。既にワクチンも抗生物質も、被害にあった人たち全員に行き渡るくらいの量が完成しているわ」
「それじゃママと佳奈子も・・ 」
「もちろん大丈夫。さっき病院から連絡があって、抗生物質とワクチンで回復に向かっているそうよ。2~3日中には退院出来るわ」
 城北大学の人たちは、倉庫の中で気絶している子供たちにワクチンと抗生物質を投与していた。秋元教授は携帯電話を取り出して救急車の手配をし、それが終わると美紀子のそばに来た。
「紅林先生。あとは我々だけで大丈夫です」
「ありがとうございます。どうもご苦労様でした」
 美紀子と絵里香たちは秋元教授に会釈すると、車を置いてある場所まで行った。その脇を複数の救急車がすれ違っていく。通りに出てくると、もう一台の車が停まっていて、美紀子たちを待っていたかのように、車から男女二人が降りてきた。一人は先日ANGELで会った朝霞で、もう一人は友里のマネージャーの志木和歌子だった。
「友里ちゃん!」
 和歌子は友里を見ると、友里に向かって走ってきた。
「友里ちゃん心配したのよ。無事で良かったわ」
「ごめんなさいマネージャー」
 友里は絵里香たちの方を向いて言った。
「この人は私のマネージャーの、志木和歌子さんです」
「あら。あなたたち・・  みんな私の後輩なのね」
 絵里香たちは和歌子のそばに駆け寄ってきた。
「はい。私は明峰学園高校二年の赤城絵里香です」
「同じく二年の清水聖奈子です」
「私も二年の城野美由紀です」
 和歌子は美由紀を見て話しかけてきた。
「あなたが、朝霞さんが入れ込んでいたお嬢さんね。朝霞さんから話は聞いているわ。もし良かったら、聖光美少女戦士のオーディションに出てくれる」
「あの・・ すごく嬉しいんですけど、今すぐってわけには・・ 」
「そんなに急がないわよ。今すぐってことじゃないんだから。あなたにお願いしたいのは、いま放送中のユリの2つ後の作品なの。録画撮りは来年の春からだから、君が高校を卒業してからよ。だから・・・ そうね・・ 半年位は待ってもいいわ」
 そう言って、和歌子は自分の名刺を出して美由紀に渡した。友里は美由紀の傍に来ると、美由紀の両手を掴んだ。
「美由紀ちゃん。やろうよ。私も応援するわ」
「友里さん。ありがとう。私頑張るから」
 そこへ朝霞が出てきて、絵里香と聖奈子に話しかけた。
「美由紀ちゃんだけでなくて、君たちもどうだい。3作目は3人組で企画してもいいんだけど」
「え・・ あたしはパス。勉強があるんで」
「私も、申し訳ないんですけど、辞退します」
 そう言って絵里香と聖奈子はそそくさと、朝霞のそばから離れて、小走りに美紀子の方へ駆けていった。美由紀は友里と握手すると、絵里香と聖奈子のあとを追うように駆けていった。



      *     *      *      *

 子供を使ってエンジェルスを倒そうとした吸血鬼作戦は失敗した。しかし、ネオ-ブラックリリーはまた新たな魔人を作って挑んでくるのだ。頑張れエンジェルス!



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 次回予告
 第40話『大都市壊滅のX-Day』

 絵里香は孝一とデート、聖奈子は近づいている全国模擬試験の試験勉強、そして美由紀は友里に付き合って聖光美少女戦士ユリのロケ見学と、それぞれのひと時を謳歌していた。
 しかし、その間にもネオ-ブラックリリーの魔手は刻一刻と迫ってくる。猛毒怪人アンボイナ魔人が次々と人を襲って殺戮作戦を開始し、東京などの大都市に殺人光化学スモッグを撒き散らすという、大規模な人類殺戮計画が実行されようとしていた。

 次回 美少女戦隊エンジェルス第40話『大都市壊滅のX-Day』にご期待ください。



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テーマ : ライトノベル
ジャンル : 小説・文学