鷲尾飛鳥

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第38話『絵里香記憶喪失』

2013年 09月01日 14:13 (日)


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 ここはS県内の某所にある、ネオ‐ブラックリリーのアジトの手術室である。いま、新たな魔人が改造手術を終え、生命を与えられるところであった。手術台の前で作業をしていた白衣姿の初老の男が、全ての作業を追えて、手術台から離れた。
「よし。完成した・・・ 手術は成功だ。君たち、今から生命エネルギーを注入するから、準備してくれ」
「イーッ」
 男は傍らにいた白衣姿の戦闘員たちに向かって指示を出した。戦闘員は返事をすると、手術台で横になっている魔人にケーブルを繋ぎ、自分のそばにあった生命エネルギー充填装置のスイッチを入れた。すると機械から出ているケーブルを伝わり、手術台の上に寝ている魔人にエネルギーが送られていった。30分ほどして充填作業が終わってスイッチが止められ、手術台の上の魔人が動きだして、そのまま起き上がった。今度の魔人はミミズクをモチーフにした『ミミズク魔人』だった。
「ホホホホホーッ」
 起き上がったミミズク魔人は、雄叫びを上げた。

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「よし。これで終わりだ」
 そう言いながら、男は手術に立ち会っていたゼネラルダイアの方を見た。ゼネラルダイアは改造が終わったミミズク魔人に向かって言った。
「ミミズク魔人。お前は作戦の指示があるまで指令室で待機していろ」
「ホホホホーッ。かしこまりました。ゼネラルダイア様」
 ミミズク魔人は戦闘員に伴われて手術室を出ていった。

 男の名は鷲宮俊明といい、帝大の教授で鳥類学の国内に於ける権威であり、他に生体医学の博士号も持っていた。鷲宮はネオ‐ブラックリリーの新たな作戦に使用する魔人の改造のため、アジトに連れてこられたのであった。ゼネラルダイアは鷲宮の方を向き、自分に協力した鷲宮を労って言った。
「ご苦労だった。鷲宮博士。」
「あなた方はあんな物を私に作らせて、いったい何をしようとしているのですか?」
「そのような事は知らなくても良い。いいか? 鷲宮。命が惜しかったら何も聞かない事だ。ここで見た事、やった事は一切口外してはならない。もし、お前がそれを破った時、お前は勿論の事、お前の一人娘の尚子にも危機が及ぶことを忘れるな」
「分かった・・・  約束しましょう」
「よろしい。それでは約束の報酬を用意するから、控室へ行って待っているように」
「それより、今すぐにでも外の空気を吸いたいのだが、よろしいですか?」
「ん・・  いいだろう。お前たち、博士を案内しろ」
「イーッ」
 鷲宮は戦闘員の案内で手術室を出ると、アジトの外へと向かっていった。それからすぐにスピーカーから大首領クイーンリリーの声が響いた。
「ゼネラルダイア。鷲宮の感情が乱れているぞ。鷲宮は必ず我々の事を外で話すだろう。もしエンジェルスの小娘どもや、スカーレットエンジェルの耳に入ったら、厄介なことになる。鷲宮が改造したミミズク魔人を使い、即刻鷲宮を消すのだ」
「ハハッ。かしこまりました。大首領様」
 ゼネラルダイアは戦闘員を伴って、手術室を出ると指令室へ向かった。

      *     *     *     *

 アジトの外へ出た鷲宮は、伸びをして深呼吸しながら、逃げるチャンスを伺っていた。鷲宮に付き添ってきた戦闘員は二人だった。アジトの出入り口は雑木林の中にある、大きめの倉庫の中にあって、その倉庫に通じる道路のほかは、周辺は葉の落ちた雑木林が広っており、所々に廃棄された車や資材が置かれていた。
 そしてその場所は鷲尾平市、神代市、そして新間町の三つの市と町の境が交差している辺りだった。東西と南は雑木林が広がり、その中を道路が縦横に走っていて、所々に倉庫や資材置場、廃棄された車などが散在している。北は雑木林を少し行くと、急斜面の崖になっていて、その下には川が流れている。

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「(二人・・・ か・・ 隙を見て逃げられるかもしれん)」
 鷲宮はふと、自分がいる場所のすぐそばに、廃棄された数台の車と資材が置かれているのを見た。そして一番近くの車の下に落ちている発煙筒が目に付いた。
 その時別の戦闘員が出てきて、鷲宮に付き添っていた戦闘員たちを呼んだ。
「ゼネラルダイア様が呼んでいる。鷲宮を指令室に連れて行け」
 付添いの戦闘員が二人とも鷲宮から目をそらした。鷲宮はその一瞬のすきをついて素早く発煙筒を拾い、着火装置を擦ってあさっての方向へ投げると、車と車の間に身を隠した。発煙筒はシューッという音とともに煙を吐き出し、戦闘員の一人がそれを見た。
「あれは何だ!?」
 居合わせた戦闘員たちが全員発煙筒の方へ駆けていき、煙を出している発煙筒を見つけた。その隙に鷲宮は戦闘員が駆けていった方向と反対の方向へと走って逃げ、資材置き場の中にあった大きな土管の中に隠れて様子を伺った。
「発煙筒だ。誰の仕業だ・・」
「おい! 鷲宮がいないぞ」
「何だと!?」
「しまった。逃げられた」
「すぐにゼネラルダイア様に報告だ」
 戦闘員たちは急ぎ足でアジトの中に入っていった。


「何!?  鷲宮に逃げられただと!?」
「イーッ」
 普段のゼネラルダイアならば、しくじった戦闘員をその場にて電光剣で処刑してしまうのだが、この時だけは何故か考え込んでいた。その時スピーカーから大首領の声が響いた。
「ゼネラルダイア。鷲宮を逃がしたな。どうするつもりなのだ」
「お言葉ですが大首領様。別に大した問題はありません。今回はまだ正式に作戦が稼働しておらず、秘密がエンジェルスの小娘どもに知られたところで、大勢に影響はありません。それに鷲宮が逃げても、行く場所は決まっております」
「ならばすぐに鷲宮を追い、捕えて消すのだ」
「かしこまりました」
 ゼネラルダイアは後ろにいるミミズク魔人の方に向き直った。
「ミミズク魔人。お前の最初の任務は、お前を改造した鷲宮を始末することだ。そしてこれが鷲宮の娘の尚子の写真だ。鷲宮は必ず娘の所へ行くはずだ」
「ホホホホー。かしこまりました。ゼネラルダイア様」
「行け。ミミズク魔人」
「ホオーッ」
 ミミズク魔人が羽を広げて飛び立つと、天井が開いて、ミミズク魔人は天井から外へ飛び去って行った。

      *     *     *     *

 同じ日の夜・・・
 ここはS県の城間市内である。一人の女性が自分の家に帰る途中だった。女性の名は鷲宮尚子。城北大学文学部の2年生で、ミミズク魔人を作った鷲宮博士の娘である。尚子は市内の静かな住宅地の中を歩いていて、突然自分を呼ぶ声を聞いた。
「鷲宮尚子」
 尚子は突然自分の名前を呼ばれ、驚いて辺りを見回した。

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「誰? 私の名前を呼ぶのは」
 突然ミミズク魔人が飛んできて尚子の頭上に音も無く現れ、尚子の前に着地した。
「ホホホホホーッ」
「ひっ・・・・ ば、化け物・・・ 」
 突然目の前に現れた得体の知れないミミズク魔人に、尚子は立ちすくんで硬直した。ミミズク魔人は両手を広げて尚子を威嚇しながら言った。
「騒ぐと殺すぞ。鷲宮尚子。お前の父、鷲宮俊明は何処だ」
「あ・・ あなたは一体・・」
「俺はネオ‐ブラックリリーの改造人間。ミミズク魔人だ。俺の言う事に素直に答えれば命までは取らない。さあ教えてもらおう。お前の父、鷲宮俊明は今何処にいる」
「父は一ヶ月くらい前から大学の研究室に詰めていて、家には全然帰ってきていません」
「お前の携帯電話を見せろ」
 尚子はバッグを開けると、携帯電話を差し出した。ミミズク魔人は携帯をひったくると、着信履歴と発信履歴を調べた。履歴は沢山あったものの、その中に父親の名は入っていない・・・
「うーむ・・・ 連絡は取り合っていないようだな・・・ 」
 そう言ってミミズク魔人は携帯を尚子に返した。
「お前を人質として連れて行く。おとなしく俺と一緒に来い」
 ミミズク魔人は尚子に近づいてきた。尚子は恐怖のあまり後退りし、後ろにあった塀にぶつかった。もう後が無い・・・
「こ・・ 来ないで・・ キャアーッ!! 助けてぇーッ」

「今の声何?」
 その時偶然近くを歩いていた絵里香と美由紀が、声を聞いてやってきた。絵里香は学校帰りに美由紀の家に雑用で来ていた帰りで、美由紀は帰る絵里香に駅まで付き添っていたのだ。絵里香と美由紀は小走りにやってきて、ミミズク魔人が尚子を拉致して連れ去ろうとしている場面に鉢合わせした。

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「絵里香、あそこよ」
「ネオ‐ブラックリリーの化け物!」
「クソッ。邪魔が入ったか。ホホホホーッ」
 ミミズク魔人が奇声を上げると、戦闘員が奇声とともに現れた。
「かかれっ」
 戦闘員が絵里香と美由紀に向かってきて、格闘戦になった。絵里香は自分の前にいた戦闘員を倒すと、変身してミミズク魔人に向かっていった。
「化け物。その人を放せ!」
 ミミズク魔人は捕えようとしていた尚子を横へ突き飛ばすと、絵里香に向かってきた。何度かパンチとキックの応酬があって、ミミズク魔人はポーズをとって口から火炎を吐いた。絵里香は火炎をかわすと、エネルギー波を放った。
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「ファイヤースマッシュ!」
「ホホホーッ」
 ミミズク魔人はその場から飛び立ち、スマッシュがミミズク魔人の下を抜けていった。ミミズク魔人は着地すると絵里香に向かって威嚇したが、捕えようとした尚子がいないのに気付いた。
「くそっ。女は逃げたか・・・ 小娘。勝負はお預けだ」
「お前たち何を企んでるの!?」
「ホホホーッ。そんな事教えてたまるかぁ」
 ミミズク魔人は飛び立つとそのまま飛び去っていった。残った戦闘員も逃げ去って消えた。ミミズク魔人が飛び去った方向を見ていた絵里香の元に美由紀がやってきた。
「絵里香、襲われていた女の人は?」
「私たちが戦っている間に逃げていったわ」
「でも一体何が目的で、あの女の人を襲ったんだろう・・ 」
「それは分からない・・ 」
 そう言いながら絵里香は変身を解き、美紀子に携帯で連絡を入れた。
「もしもし・・ 絵里香です・・ うん・・ そう。奴等が出たんです。襲われていた人は逃げました。 ・・・はい。分かりました」
 絵里香は携帯を切ると美由紀の方を向いた。
「詳しい話は明日聞くって言っていた。今日はもう遅いから、帰って休めって」
「そっか・・」

      *     *     *     *

 一方、ミミズク魔人が絵里香と戦っている隙に逃げた尚子は、自宅に着くなりそのまま家の中に飛び込んだ。しばらく玄関のドアのところから動けなかったが、突然携帯に着信音が入ってドキッとした。
「何だ・・  携帯の着信か」
 尚子は携帯を開いた。
「メールだ・・ お父さんからだわ。珍しいわね。今まで全然連絡してくれなかったのに・・」
 尚子はメールを見た。すると顔つきが厳しくなって、すぐに自分の部屋と俊明の部屋へ行き、大きめの鞄を二つ持ってきてから車庫へ行った。尚子は車のエンジンをかけて発進させると、夜の道を何処かへと向かっていった。

      *     *     *     *

そして翌日・・・
「エ? 美紀子さんいないの? 佐緒里ちゃん。美紀子さん何処へ行ったか分からないの?」
「はい。今日の朝早く急に車で出かけて行ったんだけど、その後まるっきり連絡が無いんです」
絵里香たちはANGELに来ていた。絵里香は昨日の夜の一件が気になっていて、美紀子に事情を話そうと思っていたのだが、美紀子は出かけていていなかった。
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 その時絵里香の携帯が鳴った。
「美紀子さんだ・・・ はい絵里香です」
『・・・・』
「はい・・ はい分かりました」
 絵里香は立ち上がると、聖奈子と美由紀の方を向いた。
「美紀子さんから連絡で、ネオ‐ブラックリリーのアジトを発見したって。あと少しで戻るから、いつでも出られるように待機しててくれって」
 ネオ‐ブラックリリーと聞いて、聖奈子と美由紀も立ち上がった。そこへ美紀子が帰ってきた。
「みんな行くわよ」
「ハイッ」
 絵里香たちはANGELを出ると、すぐに美紀子の車に乗り込み、美紀子は車を発進させた。


 美紀子は国道を鷲尾平から西へ向けて車を走らせていた。美紀子は運転しながら、昨日の一件について絵里香から話を聞いていた。
「女の人がネオ-ブラックリリーに襲われた?」
「そうなんです。たまたま私と美由紀がいたから、大事には至らなかったけど、女の人は逃げて何処へ行ったか分からないんです。でも、何故狙われたのか・・・ その人がいないと理由も分からないわ」
「もしかしたら、その人はネオ‐ブラックリリーの重大な秘密を知っているのかもしれない。その女の人が見つかれば、奴等の今度の作戦が分かるかもしれないわね」
「それで、アジトは?」
「もうすぐ到着するわ。場所は鷲尾平と神代の境付近にある資材廃棄場の一角よ」
「でもどうして分かったんですか? 奴等にしては随分お粗末だけど」
「無線の連絡を傍受したのよ。頻繁に通信していたから、逆探知したらすぐに場所が特定出来たわ。無線のやり取りの中に、『鷲宮』という名前が頻繁に出ているから、おそらくその人物に関係があると思う。もしかしたら、その人物は絵里香の言っていた女の人とも関係があるかもしれない」
「鷲宮・・・ か。一体誰なんだろう・・ 」
 やがて美紀子の車は国道から外れ、雑木林の中の道路に入って、駐車スペースがある場所で車を止めた。
「ここで降りて。アジトはここから200メートルくらいの場所にあるわ」
 美紀子はアジトの方向を指差し、絵里香たちは車を降りると、変身して雑木林の中を用心しながら進んでいった。美紀子も絵里香たちの後ろからついていった。


「イーッ。小娘どもがアジトに近づいてきます。スカーレットエンジェルも一緒です」
「何だと?」
 ゼネラルダイアはカメラのモニターを見た。わずかな間だったが、絵里香たちの姿が映っていた。
「ふふ・・ やはり来たか。鷲宮と接触したかどうかは分からぬが、おそらく頻繁に流した無線を嗅ぎ付けてやってきたのだろう。誘い込んで片付ける絶好のチャンスだ。ミミズク魔人!」
 ゼネラルダイアは傍らにいたミミズク魔人の方を見た。
「お前はエンジェルの小娘どもを始末しろ。ただし、このアジトの中に入ってくるまでは絶対に攻撃を仕掛けるな」
「ホホホーッ。かしこまりました」
 ミミズク魔人は戦闘員を数人引き連れて司令室を出て行き、ゼネラルダイアは残った戦闘員たちに向かって言った。
「このアジトを即刻放棄し、別の場所へ移動する。速やかに準備しろ」
「イーッ」
 指令室内では戦闘員たちが慌しく動き出し、ゼネラルダイアも司令室から出ていった。

「あの倉庫よ。きっと入り口もあそこにあるわ」
 美紀子は雑木林の中に建つ倉庫を指差して言った。絵里香たちは素早く移動して、倉庫の壁に張り付き、倉庫の中と周辺の様子を探った。
「聖奈子、美由紀。行くよ」
「オッケー」
「分かった」
 絵里香たちはその場で変身すると、倉庫の扉を開けて中へ突入し、アジトの入り口らしい床の上の蓋を見つけた。絵里香は用心しながら近づき、蓋を開けた。中は地下への階段が続いている。
「これが入り口だわ」
 絵里香が真っ先に中へ入り、聖奈子と美由紀も後に続いて階段を降りていった。そして回廊を走り、司令室に達したが、司令室の中はもぬけの殻だった。
「絵里香、これって・・ 」
「恐らくアジトを放棄したんだわ」
「・・ ってことは・・ 何か仕掛けがあるかもしれない。すぐに脱出しなければ」
「ホホホホーッ。そうはいかん。お前達はここでくたばるのだ」
 そう言いながらミミズク魔人が戦闘員とともに司令室に入ってきた。
「ネオ‐ブラックリリーの化け物」
「かかれっ」
 戦闘員が奇声を上げながら絵里香たちに向かってきて、格闘戦になった。
「ファイヤースマッシュ!」
 絵里香のエネルギー波が戦闘員を直撃し、戦闘員が吹っ飛んで、後ろにあったメインコンピューターに激突した。
 ドオォォーン!!
 大音響とともにコンピューターが爆発し、続いて指令室内の機材が次々と誘爆を起こして、火災が発生した。火はたちどころに司令室全体に広がってきた。
「絵里香、アジトが爆発する」
「みんな逃げるわよ」
 絵里香たちは周りにいる戦闘員を倒しながら司令室を飛び出し、回廊を出入り口に向かって駆け出した。
「逃がすな。追え!!」
 絵里香たちはが出入り口から飛び出すと同時に、地下のアジトが爆発して激しく揺れ、絵里香たちは近くの柱にしがみついた。暫くして揺れは収まり、絵里香たちは倉庫の外へ出た。外では美紀子が待っていた。
「美紀子さん。やつらはアジトを放棄していたわ。私たちを誘い込んで一網打尽にするつものだったのよ」
「何ですって!?」
 その時突然みんなの上の方から声が聞こえてきた。
「スカーレットエンジェル、お前の策が裏目に出て残念だったな。お前たちをおびき寄せるために、ワザと無線を頻繁に使ったのだ。」
 美紀子は声のした方向を見た。倉庫の屋根の上にゼネラルダイアが立っている。
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「お前はゼネラルダイア」
「ホホホホーッ」
 奇声とともにミミズク魔人が戦闘員とともに現れて、絵里香たちの周りを取り囲んだ。
「ミミズク魔人。小娘どもを始末しろ」
「ホホホーッ」
 ゼネラルダイアはその場から消え、戦闘員が一斉に向かってきて、絵里香たちとの間で格闘が始まった。組み付いてきた戦闘員を一本背負いで投げ飛ばした絵里香はミミズク魔人と視線が合った。その瞬間、ミミズク魔人は幻覚光線を発射した。

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「うっ・・・・・」
光線を浴びた絵里香は体がふらついた。そして自分の周りの景色が突然変化して戸惑った。

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「え??? これは・・ 一体・・」
 絵里香の周りで景色が歪んで見え、絵里香は足元がふらついた。そして絵里香の足元のすぐ後ろが絶壁に変化して、絵里香はギョッとした。このまま下がればまっ逆さまに落ちてしまう。絵里香は慌てて前に出た。絵里香はミ ミズク魔人の幻覚光線で、視覚を奪われていたのだ。
「ホホホーツ。俺様の幻覚光線からは絶対に逃げられないのだ」
 突然絵里香の後ろから戦闘員が組み付いてきた。だが幻覚症状に陥っていた絵里香の目には、戦闘員の姿は映らない。絵里香は逃れようともがいて戦闘員を振り払い、ふらつきながら前へ前へと駆け出した。絵里香の目には、自分の左右が切り立った絶壁で、その真ん中の尾根の上に立っているように見えていたので、そこから脱出しようと必死だった。しかし実際は絵里香の周囲は雑木林の中なのだ。絵里香の動きがおかしいのに気付いた美由紀が叫んだ。
「絵里香! どうしたの? 何処へ行くのーっ」
 美由紀は絵里香の後を追いかけようとしたが、戦闘員が阻むように襲いかかってきて格闘になった。聖奈子も加わり、戦闘員を倒して絵里香を追いかけようとしたその時・・
「危ない!」
 美由紀が叫びながら聖奈子を突き飛ばした。今まで聖奈子がいた場所を火炎が通過していった。ミミズク魔人が吐いた火炎だった。
「ホホホーッ」
 ミミズク魔人は再び火炎を放射した。聖奈子と美由紀は左右に開くように散り、その間を火炎が吹き抜けていって、地面に到達すると同時に激しく炎を噴き上げた。
 一方の絵里香はふらつきながら倉庫の北側にある崖っぷちにいた。相変わらず幻覚症状は続いていて、絵里香の前にある崖は、絵里香の目には平坦な草原に見えていた。そこへゼネラルダイアが襲いかかってきた。
「小娘。引導を渡してやる。電光剣を食らえ!」
 ゼネラルダイアは電光剣を抜くと、絵里香にその切っ先を向けた。激しい稲妻の光が空から降ってきて、絵里香の周囲に次々と落下して爆発した。絵里香は爆発の無い正面に向かって駆けた。その先は崖・・・・
「キャアァァァーッ!! ・・・・・」
 絵里香は爆風に煽られながら、踏み外して崖から転落していった。

 聖奈子と美由紀は戦闘員と格闘していたが、そこへゼネラルダイアが姿を現した。
「次の作戦の準備を始める。者ども引き揚げろ」
 そう言ってゼネラルダイアは白煙とともにその場から消え、ミミズク魔人と残った戦闘員たちもその場から逃げ出して消えた。
「やつら逃げ出したわ」
「確か次の作戦とか言ってた」
「そうだ・・ 絵里香は?」
 聖奈子と美由紀は周りを見回した。絵里香がいない・・・ 美紀子が駆け寄ってきたが、聖奈子と美由紀は美紀子に気付かず、絵里香が走っていった方向へと駆けていき、崖っぷちに達した。
「ここから先は崖だわ」
 美由紀が崖下を眺めた。
「下は川・・・ か」
 しかし崖下に絵里香の姿は無い。そこへ美紀子が追いついてきた。
「二人ともどうしたの?」
「絵里香がいなくなっちゃった」
「えっ?」
「急に走り出して、そのままこっちの方へ来たはずなのよ」
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 美紀子は崖下を見た。美由紀が見た時と同様、絵里香の姿は見えない。聖奈子と美由紀は雑木林の中を、絵里香を呼びながら捜した。
「絵里香あーっ」
「絵里香ーっ」
 美紀子は絵里香を探し回っている聖奈子と美由紀を呼んだ。
「二人とも。崖の下へ行くから、早く戻ってきて」
 聖奈子と美由紀は美紀子に呼ばれて、美紀子の傍に駆け寄ってきた。
「崖の下を捜すから、一旦車まで戻るわよ」
「ハイ」
 聖奈子と美由紀は変身を解くと、美紀子と一緒に車を置いてある場所まで駆け出した。

      *     *     *     *

 絵里香が崖から転落したのと同じ時刻、崖の下にある河原を鷲宮俊明、尚子の親子が歩いていた。鷲宮はネオ‐ブラックリリーから脱走した後、崖下を流れる川のほとりにあるポンプ小屋の中に隠れていたのだ。そこで娘の尚子にメールを送り、尚子はメールの内容を見てここまで来て、父の俊明と会うことが出来たのだ。鷲宮親子は、尚子が乗ってきた車がある場所まで、急ぎ足で向かっていた。
「お父さん。そんなに慌てて、一体何があったの? 『私は危険だ。殺されるかもしれない』なんてメールを送ってきて。それに大学の研究室にいたはずなのに、何故こんな所にいるのよ」
「お前に言っても信じてもらえんかもしれんが、俺はネオ‐ブラックリリーとかいう恐ろしい組織に捕まって、化け物を作らされていたんだ」
「そ、それじゃ私が見た・・ あの得体の知れないやつが・・・ 」
「何だと!? 尚子・・ お前のところにまで奴等の手が回っていたのか・・ 」
 尚子は無言で頷いた。その時尚子は崖下に倒れている絵里香を見つけた。
「お父さん。あそこに人が」
 尚子はそう言いながら、倒れている絵里香の元に駆け寄り、倒れている絵里香を抱き起こした。
「 (気絶しているだけだわ)  あ・・ この子・・ 確か私が化け物に襲われた時、助けてくれた子だわ。しっかりして」
 尚子は崖の上を見た。そこへ俊明も駆け寄ってきた。
「お父さん。この子崖から落ちてきたんだわ」
「うむ・・ とにかくここから早く連れて行かなければ」
 俊明は気絶した絵里香を抱きかかえると、尚子が乗ってきた車の所まで行って、絵里香を乗せると運転席に座った。
「尚子、乗れ。早くここから逃げないと、奴等の追っ手が来る」
「分かった」
 尚子は助手席に乗り、鷲宮は車を発進させた。
 つまりこういう経緯があったので、美紀子や美由紀が崖下を見た時は、崖下に絵里香の姿が無かったのだ。

 鷲宮が車を発進させ、走り出してすぐに、美紀子の車がやってきた。道が狭かったのですれ違う事が出来ず、お互いお見合いの恰好で停止した。美紀子は鷲宮の車に絵里香が乗っているのを見つけ、車を降りて鷲宮の車に駆け寄り、聖奈子と美由紀も車を降りて様子を見ていた。鷲宮と娘の尚子も降りてきた。鷲宮は駆け寄ってきた美紀子に突っ掛かるように言った。
「ちょっと君! 私は急いでるんだ。すまんが道を譲ってくれないか?」
「すみません。あなたの車に乗っている女の子は、私の知り合いなんです。ひきとりますから、おろしてもらえませんか?」
「え? そうなんですか」
 鷲宮は後ろのドアを開け、美紀子は気絶したままの絵里香の傍に行った。
「絵里香。絵里香、しっかりして」
 聖奈子と美由紀も寄ってきた。
「二人とも。絵里香を私の車に乗せるから手伝って」
「ハイ」
 美紀子は絵里香を車から降ろすと、聖奈子と美由紀も手伝って自分の車の方へ運んだ。その途中で美由紀は、絵里香が目を覚ましたのに気付いた。
「美紀子さん。絵里香が気がついた」
「え?」
「ん・・・ 」
 美紀子は後ろの座席に絵里香を静かに座らせた。
「絵里香。しっかりして」
 気がついた絵里香は何が何だか分からないといった表情で、自分の周りを見回した。
「ここ・・ 何処??」
 続けて絵里香は美紀子を見た。
「あの・・ あなたは・・ 誰ですか? 私・・ 何故ここにいるんですか?」
 それを聞いた聖奈子が絵里香に詰め寄った。
「絵里香! どうしちゃったのよ。美紀子さんじゃないの」
「みきこ・・ さん・・」
 美紀子は絵里香の様子がおかしいのにすぐ気付いた。
「二人とも来て」
 美紀子は絵里香が座っている席のドアを閉めると、聖奈子と美由紀を車から少し離れた場所に連れて行った。
「二人とも聞いて。絵里香は記憶喪失になってる」
「ええっ??」
「記憶・・ 喪失・・ ??」
「みんなすぐに車に乗って。それから、絵里香にはかまわないで、そっとしてあげて」
「わ、分かった・・ 」
 聖奈子と美由紀はすぐに車に乗り込み、美紀子は鷲宮のほうへ行った。
「どうもすみませんでした。すぐに車を出しますから。それから、失礼ですが・・・ 最初は気付かなかったんですけど、貴方はもしかして帝大の鷲宮博士では?」
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「そうです。私も今気付いたんですが、貴方は確か城北大の・・・ 」
「紅林美紀子です」
「貴方が紅林さんでしたか。城北大学での講義を拝見した事があります」
「とにかく、ここでの立ち話もなんですから、早くここから出ましょう。例の奴等がまた襲ってくるかもしれません。それに、ネオ‐ブラックリリーの事で貴方からお話を窺いたいんです。お願いします」
 鷲宮は黙っていた。娘の尚子が詰め寄るように言った。
「お父さん! この人たち私の恩人なのよ。お願いだから協力してあげて」
「・・・・分かりました。紅林さん。私に出来ることならば協力しましょう」
「ありがとうございます。それじゃ私についてきてください」
 美紀子は車に乗り込むと、車をユーターンできる場所までバックさせ、そこで車の向きを変えて走り出し、鷲宮はその後をついていった。


      *     *     *     *

「ゼネラルダイア。鷲宮の抹殺に失敗した上に、小娘どもとスカーレットエンジェルにアジトを嗅ぎ付けられたな!」
 ゼネラルダイアは移動した別のアジトの司令室で、大首領の言葉を聞いていた。
「申し訳ありません。しかし、お言葉ですが、鷲宮の存在など、もはやどうでも良いことです。我々の作戦については、やつは全く知らぬところであり、そればかりか作戦自体が稼動していないのです」
「考えが甘いぞ! ゼネラルダイア。コンピューターが、鷲宮の存在を『危険』と弾き出したのだ。このままでは鷲宮は、我がネオ‐ブラックリリーにとって非常に危険な存在になる。鷲宮は必ず消すのだ。どんな手段を使っても良い。人間を何人殺してもいい。鷲宮を消せ」
「かしこまりました。大首領様」
 ゼネラルダイアはミミズク魔人の方に向きなおって言った。
「ミミズク魔人。聞いての通りだ。どんな手段を使ってでも、鷲宮を消せ」
「ホホホーッ。かしこまりました」

 鷲尾平に戻った美紀子は、鷲宮親子をANGELに招き入れ、鷲宮親子は勧められるままに椅子に座った。佐緒里がコーヒーを入れて持ってきて、テーブルの上に置いた。
「どうぞ」
「ありがとう」
「ありがとうございます」
 美紀子は記憶を喪失してしまった絵里香を応接室へ連れて行き、孝一も絵里香の傍についていた。聖奈子と美由紀が心配そうに絵里香を見ている。孝一は椅子に座って上の空の状態の絵里香の両肩を持って、軽く揺すりながら絵里香に向かって言った。
「絵里香。しっかりしてくれ! 俺だ。黒川だよ。孝一だよ」
「こう・・ いち・・ (この男の人も私を『えりか』と言っている・・ それが私の名前・・)」
 孝一は美紀子の方を向いた。
「美紀子さん。ここは俺に任せてください。美紀子さんはお客さんの方をお願いします。絵里香には俺が付いていますから」
「分かった。それじゃ孝一君。絵里香を頼んだわよ」
 美紀子は応接室を出ると店内へ出て、鷲宮親子が座っているテーブルの椅子に座った。聖奈子と美由紀も隣のテーブルを囲んで座った。佐緒里もカウンターで心配そうな顔で様子を見ている。
「鷲宮さん、いや、鷲宮博士。ネオ‐ブラックリリーの事で知っている事をお願いします」
「分かりました。それではお話します。私は大学の研究室で仕事中に奴等に捕まり、アジトに連れてこられて、ミミズクの化け物を作らされたのです。断れば娘を殺すと脅されたので、仕方なく奴等に協力しました。何とか奴等の隙を見て脱走する事が出来たのですが、案の定、娘にも奴等の手が回っていて・・ 娘はそこにいるお嬢さんたちに助けられました」
 鷲宮は聖奈子と美由紀の方を見て、二人は鷲宮に向かって会釈した。
「それで・・ あの化け物のことや、ネオ‐ブラックリリーの作戦のことで、何か知っていることはありませんか?」
「作戦の事については、私は何も知りません。ただ、あの化け物の能力は、空を飛ぶ事が出来て、口から火炎を放射する他、目はモニターやサーチライトを備えていて、幻覚光線を発射する事が出来ます」
「そうか・・ それで絵里香は訳の分からない動きをしたんだわ。絵里香はあの化け物の幻覚光線にやられたんだわ」
 美由紀が思い出したように言った。美紀子は鷲宮の話を聞き、黙ったまま考え込んでいたが、口を開いて静かに話しかけた。
「暫くの間は外へ出ない方が良いでしょう。自宅の周辺も恐らく奴等の手が回っています。大学のキャンパス内も然りです。もしよければ、しばらくここにお泊りになってもよろしいですよ」
「分かりました。お言葉に甘えます。色々とありがとうございます」
 美紀子は佐緒里に店を閉めるよう促し、聖奈子と美由紀に言った。
「あなたたち。絵里香の事は心配いらないから、今日は帰ってゆっくり休みなさい」
「はい」
 聖奈子と美由紀は帰り支度を始め、それぞれ自分の家に帰っていった。佐緒里は鷲宮親子が泊まる部屋を用意するため二階へ行った。美紀子が応接室へ行こうとしたとき、部屋のドアが開いて孝一と絵里香が出てきた。
「美紀子さん、絵里香は俺が連れて帰ります。明日またここへ連れてきます」
「そう・・・ 分かった。それじゃ孝一君は絵里香をお願いね」
 孝一は相変わらず上の空になっている絵里香の手を引いた。
「あの・・ 何処へ行くんですか?」
「お前の家だよ」
「私・・・の??」
「ああ。行くぞ」
 孝一は半分強引に絵里香を連れ出し、手を握ったまま絵里香の家まで連れて行くと、絵里香に玄関を開けさせてから言った。母親の絵美子は昨日から実家の方へ行っていて留守だった。
「明日の朝8時に迎えに来るから、絶対にいろよ。分かったな!」
「は・・・ はい。それじゃ待っていますので、お願いします」
 孝一は絵里香を家に帰すと、自分の家に向かって小走りに駆けて行った。その後ろ姿を見ながら絵里香は呟いた。
「あの男の人・・ ちょっと強引だけど、何故か一緒にいると安心する・・・ 何処かで会った事があるみたい・・ 」

      *     *     *     *

 そして翌朝・・
 孝一は時間通りに絵里香の家へ行き、呼び鈴を押した。暫くして絵里香がよそ行きのスタイルで出てきた。
「絵里香おはよう。それじゃ早速行こうか」
「おはようございます。あの・・ 何処へ連れて行くんですか?」
 記憶をなくした絵里香は孝一の事は忘れてしまっている。しかし、孝一が悪い人ではないということだけはしっかり認識していたので、何の疑いも無く外へ出てきた。
「お前の好きな所で良いぞ」
 そう言って孝一は絵里香の手を握り、絵里香は顔を少し赤くして、孝一と一緒に歩き出した。

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「(この人・・ ちょっと強引だけど、悪い人じゃないみたい。何か凄く頼りがいがあるような感じだけど、どうしても誰だか思い出せない・・  でも、一緒にいると、何故か心が休まる・・ もしかしたら、私にとって大切な人なのかな・・ )」
 絵里香は自分の手を握って引いて歩く孝一に、身を委ねる形で孝一についていった。

 一方、ANGELでは朝9時開店の30分くらい前に聖奈子がやってきた。泊まっている鷲宮親子の事が心配だったし、何よりも記憶を無くしてしまった絵里香の事が気がかりだったのだ。
「聖奈子さん、おはようございます」
 佐緒里が聖奈子を出迎えた。
「佐緒里ちゃんおはよう。美紀子さんは?」
「叔母様は少し前に尚子さんを連れて、博士の自宅へ向かいました。尚子さんが自宅から持って来る物があるって言っていたので、一緒に行ったんです。博士の家は城間だから、美由紀さんは向こうで合流してから、こっちへ来るそうです」
「うん・・ 美由紀からはさっき電話があった」
「それからもう一つ。孝一さんから連絡で、しばらく絵里香さんと一緒に街の中を歩くって言っていました。そうすれば、もしかしたら記憶が戻るんじゃないかって・・・」
「(絵里香がうらやましい・・・) 絵里香大丈夫かな・・・ 」
「絵里香さんの事は、孝一君に任せておきましょう。昼頃になったらここへ連れてくるって言っていましたから」
 もうすぐ開店の時間だったので、聖奈子は佐緒里の手伝いを始めた。

      *     *     *     *

 その頃、美紀子と尚子は鷲宮教授の自宅に着いていた。尚子は荷物を取りに家の中に入っていて、美紀子は外で待っていた。そこへ美由紀がやってきた。
「美紀子さんおはようございます」
「おはよう美由紀」
「尚子さんは?」
「家の中。もうすぐ出てくると思う」
 その時家の中から尚子が手提げ袋を持って出てきた。
「お待たせしました」
 尚子が来るのを見た美紀子は車のエンジンをかけた。そこへ突然空から黒い影が降ってきたかと思うと、ミミズク魔人が美紀子と尚子の間に着地した。
「ホホホホーッ」
「ネオ‐ブラックリリーの魔人!」
 ミミズク魔人は着地すると、尚子に向かって行って、そのまま尚子に組み付いた。
「キャーッ。助けてぇーッ」
「化け物! 尚子さんを放せ」
「ホホホーッ。この娘は人質として頂いていく」
 ミミズク魔人は至近距離から尚子に向けて両目を光らせた。すると尚子は瞬時に気絶した。
「そうはさせないわ! エンジェルチャージ!」
 美由紀はエンジェルイエローに変身すると、バトンを出して身構えた。すると四方八方から戦闘員が奇声とともに現れた。

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「かかれえっ」
「イーッ」
 戦闘員が襲いかかってきて、美由紀と美紀子との間で格闘戦になった。その隙にミミズク魔人は羽を広げると、尚子を抱えたまま飛び立った。
「待て! 化け物」
 美由紀は身構えて、エネルギー波を発射しようとしたが、尚子がいるので撃てなかった。ミミズク魔人が飛び去っていって、戦闘員も次々と逃げ出した。
「美由紀。すぐANGELに戻るわよ!」
「はい」
 美由紀は変身を解くと、美紀子の車に乗り込み、美紀子は車を発進させた。

      *     *     *     *

 その頃絵里香は孝一に連れられ、鷲尾平の町の中をあちこち歩き回っていた。絵里香が立ち寄りそうな場所を見つけては、孝一は絵里香に向かってその場所のことを話したが、記憶を無くしてしまった絵里香はまったく覚えていない・・・
「ここが明峰学園高校。お前が通っている学校だよ。何か思い出したか?」
 絵里香は無言で首を横に振った。
「ダメか・・ 」
「ねえ・・ こういち・・ くん・・」
「ああ・・ どうした絵里香」
「昨日の喫茶店・・ そこへ行きたいんだけど、いいかな? ・・・」
「分かった」
 孝一は絵里香の手を引いて歩き出した。
「ちょっとコウイチ君」
「何だ?」
「そんなにきつく握られたら手が痛いよ」
「あ・・ ゴメン絵里香」
 孝一は握っている手を緩めた。すると絵里香は自分の腕を孝一の腕に絡めてきて、孝一と腕を組む恰好になった。今度は孝一が顔を少し赤くした。
「行こうか」
「あ・・ うん (これが絵里香とのデートだったら良かったんだけどな・・ )」

      *     *     *     *

「申し訳ありません。博士。私たちが付いていながら・・・ 」
 鷲宮は美紀子が謝るのを黙って聞いていた。美紀子はさらに続けた。
「娘さんは必ず助けます。だから・・ 」
「もう遅い・・・ 娘はきっとやつらのアジトで酷い目にあっているでしょう・・ 下手をすれば殺されているかもしれない・・・ 」
 鷲宮がそこまで言いかけた時、店の電話が鳴った。
「はい。ANGELです」
 電話を取った佐緒里の顔色が変わった。
「鷲宮博士。電話です。絶対出るようにって」
 そう言って佐緒里は鷲宮に受話器を渡した。
「はい。鷲宮です・・ ネオ-ブラックリリー!!」
 居合わせた面々がみな顔色を変えた。
『いかにも。私はネオ‐ブラックリリーのゼネラルダイアだ。お前の娘の尚子は我がネオ-ブラックリリーが預かっている』
「むすめは・・ 娘は無事なんだろうな!?」
『今のところは無事だ。地下牢に監禁したまま、何もしていないから安心したまえ。しかし、これからどうなるかは・・・  博士。あなた次第だ』
「娘を・・ 娘を返してくれ」
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『いいだろう・・ ただし、お前が来ることが条件だ。明日の正午に新間町の烏帽子山の南麓にある磨介ヶ原で娘の尚子を引き渡す。迎えをやるから、お前は一人で明日の朝9時までに自宅へ行って待っていろ。いいか!? 必ず一人で来い』
「分かった。娘の・・・ 娘の声を聞かせてくれ」
『ガチャ』
 電話が切れて、鷲宮は深く項垂れた。
「博士・・・ 」
「みなさん。申し訳ないが、一人にしておいてくれないか?」
 美紀子は一呼吸置いてから、鷲宮に返事をした。
「分かりました」
 美紀子は鷲宮を応接室へ案内し、鷲宮が応接室に入ったのを確認してから、店に戻ってきた。美由紀が不安そうに言った。
「どうするの美紀子さん」
 美紀子は佐緒里の方を見た。佐緒里はさっきの電話の通話レコーダーを持ってきた。
「この中に、さっきの通話の内容が入っています」
 美紀子は録音テープを受け取った。そこへ孝一が絵里香を連れて店に入ってくると、孝一はすぐに美紀子の傍へ行った。
「ダメです。町の中のあちこちを歩いて、いろんな物を見せたんだけど・・ 」
「困ったわね。いくら私でも、無くなった記憶を戻すのは無理だわ」
 孝一は何かを悟ったかのように言った。
「絵里香には暫くの間、俺がついてます。俺が絵里香を守ります」
 聖奈子と美由紀が呆気に取られたように孝一を見た。孝一はそれに気付いた。
「二人とも、絵里香の事は俺に任せてくれ。エンジェルになるときは、俺が傍で絵里香をサポートするから」
「そうね・・ 孝一君なら、絵里香を任せられる。頼んだわよ。聖奈子、美由紀。いいわね?」
 聖奈子と美由紀は無言で頷いた。

      *     *     *     *

 翌朝、ANGELの店先には一台の車と二台のオートバイがエンジンのかかった状態で置かれていた。鷲宮は朝早く自分の家に戻っていた。美紀子は昨日の電話の内容を知らないふりをして、鷲宮を自宅へ帰していたのだ。
「みんな行くわよ。博士が奴等と接触する時間は正午だから、今から行けば先回り出来る」
「はい」
 美紀子は自分の車に乗り込むと、助手席に美由紀を乗せて発車した。続いて聖奈子がオートバイを、孝一が絵里香を後ろに乗せて発進した。留守番をまかされた佐緒里が、その姿を目で追う。

 自宅に戻った鷲宮は、迎えが来るのを待っていたが、程なくして一台の車が鷲宮の家の前に停まり、クラクションを鳴らして鷲宮を呼び出した。鷲宮が出てくると、車の中から戦闘員が化けた男たちが出てきた。
「乗れ」
 鷲宮は言われるままに迎の車に乗った。そこで男たちは鷲宮に目隠しをした。
「娘は無事なんだろうな?」
「無事だ。黙って乗っていろ」
 運転席に男が乗り込み、車を発進させた。
 
      *     *     *     *

 美紀子たちが乗る車とオートバイは、烏帽子山の南麓に広がる磨介ケ原の端の部分に到達していた。
「着いたわ・・ 」
「この中の何処かに、尚子さんがいるのね」
「正午に引き渡すって事だけど、奴等が素直に引き渡すはずがないわ」
「みんな、奴等の目的は鷲宮博士よ。おそらく秘密を知った鷲宮博士を殺すために、娘さんを人質にしたのよ」
「奴等らしいやり方だわ」
「ここだと目立って見つかりやすいから、移動するわよ」
 美紀子は、磨介ケ原の集落の一角にある、集会場の駐車場に車やオートバイを移動させた。

 11時半を少し回ったところで、一台の黒い車がやってきて、集会場がある高台の下の道路を走り抜けていった。
「奴等の車だわ」
 聖奈子がオートバイを発進させようとしたのを、美紀子が止めた。
「待って。今飛び出して行ったら、私たちが来ていることが分かってしまうわ」
 そう言いながら美紀子は発信機の受信機を聖奈子に見せた。受信機のモニター画面のランプが点滅している。
「博士の靴底に発信機を仕掛けておいたのよ。これをたどっていけば、尾行しなくても奴等の居場所に行けるわ」
 美紀子はネオ-ブラックリリーの車が遠ざかっていって見えなくなったところで、絵里香たちに合図をし、車とオートバイが一斉に発進した。

 ネオ-ブラックリリーの車は、磨介ヶ原のほぼ中央部の、人気のない場所で停まった。同時に男たちの姿が戦闘員の姿になった。
「降りろ」
 鷲宮は目隠しを外されて、車から降ろされた。
「娘は・・ 尚子は何処だ」
「ついてこい」
 戦闘員たちは鷲宮についてくるように言い、森の中を抜けて広場のような場所まで来た。そこには二つの十字架が立てられていて、そのうちの一つには、猿轡を噛まされた尚子が磔にされて晒されていた。鷲宮はそれを見て愕然とした。

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「おい。約束が違うぞ。これはどういう事なんだ」
 そこへミミズク魔人が出てきた。
「鷲宮。約束はちゃんと守っているぞ。お前がここへ来れば娘は引き渡すと確かに言った。だが、生かしたまま引き渡すとは言っていない。お前たちは二人ともネオ-ブラックリリーの掟に基づいて死刑なのだ」
「何だと!? お前たちはそれでも」
「おっと。それ以上は言わなくてもいいぜ。生憎我々は人間ではないのだ」
 ミミズク魔人は戦闘員たちに向かって、もう一つの十字架を指さして言った。
「もう一つの十字架に鷲宮を縛り付けろ。今から鷲宮親子の死刑を執行する」
 戦闘員が鷲宮に近寄ってきたが、鷲宮は近づいてきた戦闘員を突き飛ばして、尚子が縛り付けられている十字架に向かって走り出した。
「追え! 逃がすな」
 戦闘員が鷲宮を追った。

 その頃、絵里香たちは発信機の電波をたよりに、既に広場の近くまで来ていて、広場の様子を見ていた。磔にされている尚子の姿を見た聖奈子が呟いた。
「チキショー!  ネオ‐ブラックリリーめ。酷い事しやがる」
「早く助けなきゃ」
 聖奈子と美由紀は口々にそう言っていたが、記憶をなくした絵里香は、孝一の傍で孝一の腕をつかんでガタガタと震えていた。
「ねえ・・ こういちくん・・ あれ・・ 何なの? 怖いよ・・ どうして私をこんな所に連れてきたの?」
「(ネオ‐ブラックリリーを見てもダメなのか・・ 何か絵里香の記憶を取り戻す方法はないだろうか) 絵里香。俺がそばについてるんだから、怖いことなんか何も無いんだぞ。俺が必ずお前を守ってやるから怖がるな」
「ありがとう」
 その時鷲宮が戦闘員を突き飛ばして、尚子が縛り付けられている十字架に向かって走っていくのが見えた。
「みんな行くわよ」
 美紀子の声と合図で、聖奈子と美由紀がダッシュしながら変身し、絵里香は孝一のバイクの後ろに乗った。
「飛ばすぞ。しっかりつかまってろ」
 孝一はバイクを急発進させると、広場に向かって一目散に飛ばしていった。そして鷲宮を追っている戦闘員の集団の中に突っ込み、そこにいた戦闘員を全て跳ね飛ばして停止した。
「絵里香。両手を胸にあてて、エンジェルチャージって叫ぶんだ」
「は、はい」
 絵里香は孝一に言われるままに両手を胸にあてて『エンジェルチャージ』と叫んだ。すると絵里香の姿がエンジェルレッドの姿になった。
「な・・ な、何ですかこれ。私一体何になったの?」
 記憶を無くしている絵里香は、自分の姿がエンジェルに変わったことに戸惑った。そこへ新手の戦闘員がやってきて、絵里香と孝一を取り囲み、戦闘員の一人が襲いかかってきた。
「危ない!!」
 孝一は木刀を持って絵里香の前に出ると、襲ってくる戦闘員に向かって突きを入れた。
「イーッ」
 戦闘員は呻き声とともにその場に倒れた。そこへ聖奈子と美由紀もやってきて、絵里香と孝一の周りにいる戦闘員との間で格闘戦になった。
「ホホホホーッ。ええい! 邪魔な奴等を早く片付けろ」
 ミミズク魔人が絵里香たちに近づきながら戦闘員を煽った。その隙に美紀子は十字架のそばへ行くと、尚子を縛り付けているロープを切り、尚子を助け出した。そこへ鷲宮も駆け寄ってきた。
「尚子! 尚子」
「お父さん」
「尚子さん。もう大丈夫よ。早くお父さんと一緒に安全な場所へ行って」
 美紀子は鷲宮親子を安全な場所へと誘導していった。

 聖奈子と美由紀は襲ってくる戦闘員を、格闘の末次々と倒していった。絵里香は・・ といえば、記憶を無くしているとはいえ、やはり戦士だった。戦士としての本能は生きていて、自分に組み付いてきた戦闘員を合気道の技で倒していた。孝一も持ち前の剣の技(剣道初段)で、木刀を武器に戦闘員と戦っていた。そこへミミズク魔人が絵里香めがけて火炎を放射してきた。気付いた孝一は絵里香の腕をつかむとそのまま引っ張った。今まで絵里香がいた場所を火炎が通過していく。
「絵里香。俺から離れるな」
「はい」
 ミミズク魔人は絵里香に向かってポーズをとり、幻覚光線の発射態勢をとった。それを見た孝一は絵里香の前に立ち、そのまま絵里香に抱きついて叫んだ。
「絵里香。あの化け物の目を見るな!!」
 ミミズク魔人は幻覚光線を発射したが、光線は絵里香と孝一を外れて戦闘員に命中した。
「イーッ」
 光線を浴びた戦闘員は、フラフラしながらあさっての方向に走り出し、頭から岩に突っ込んで絶命した。ミミズク魔人は、今度は奇声とともに突進してきて、孝一と絵里香を突き飛ばした。
「ワーッ!」
「キャアーッ!」
絵里香と孝一は突き飛ばされた反動で、抱き合ったまま地面を転がり、大きな岩にぶつかって止まった。
「痛ってー・・・ 畜生・・・ 化け物め」
「ここ何処・・ ??」
 絵里香は周りを見回し、立ち上がろうとしたが、孝一が抱きついていたままなので、身動きが取れなかった。
「ちょっと・・ 孝一。そんなにきつく抱きしめられたら苦しいよ」
 絵里香はモゾモゾと体を動かしてもがいた。孝一は絵里香の言葉を聞いて何かを悟り、絵里香から離れた。
「絵里香。俺が分かるのか?」
「分かるも何も・・・ あなたは孝一じゃないの。どうなってるのよ一体・・ ここは何処なのよ。確か私・・ 化け物の目から出る光を見て・・ そのあと崖から落ちて・・ 」
「絵里香。記憶が戻ったんだな。お前、今まで記憶喪失になってたんだよ」
「記憶喪失・・ そうか。それで・・・・ 」
 そこへミミズク魔人が突進してきて、火炎を放射してきた。
「絵里香危ない」
 孝一は咄嗟に絵里香に抱きつき、そのまま押し倒す恰好で地面に伏せた。その上をミミズク魔人の放射した火炎が通過していった。
「おのれ小娘。そこにいる男ともども地獄へ送ってやる。ホホホホーッ」
 絵里香は立ち上がるとブレードを出し、孝一を庇うような姿勢で身構えた。
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「よくもやったな化け物。私は絶対に負けないわよ」
「何を小癪な! 喰らえ」
 ミミズク魔人は幻覚光線を発射してきて、絵里香はブレードを自分の前に翳した。光線はブレードの刃にあたって拡散した。
「おのれ小娘」
 ミミズク魔人は今度は火炎を放射してきた。そこへ美由紀がジャンプしてきて絵里香と孝一を飛び越えて着地し、バトンをクロスさせて構えた。
「エンジェルシールド」
 四角形の透明な膜が広がり、火炎が跳ね返された。美由紀はバトンをクロスさせたまま、ミミズク魔人めがけて投げつけた。
「ライトニングブーメラン!」
 ミミズク魔人は空へ飛び上がったが、ブーメランはミミズク魔人を追尾して、ミミズク魔人に命中した。
バチバチバチッ
「ホホホホーッ」
 ミミズク魔人は奇声をあげながら、ヨロヨロと降下してきて地面に着地し、そのままよろけて膝をついた。
「絵里香。今よ!」
 後ろから聖奈子が駆けつけてきて叫んだ。絵里香はブレードを空に翳すと、ミミズク魔人めがけて振り下ろした。

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「ファイヤートルネード!」
 炎の渦がミミズク魔人に向かって伸びていき、ミミズク魔人を包み込んだ。
「ホオォーッ! ホホホホホーッ」
 ミミズク魔人は炎の渦の中で絶叫しながらのたうち回り、大音響とともに大爆発して、木っ端微塵に吹っ飛んだ。
「やった!」
 孝一が駆け寄ってきて、絵里香にハイタッチした。聖奈子と美由紀も絵里香と孝一の傍に寄ってきた。
「絵里香。記憶が戻って良かったじゃん。これもそれも、みーんな孝一君のおかげだよ」
 絵里香は孝一の方を向いた。
「孝一。ありがとう」
 孝一は絵里香を見ながら照れ臭そうな仕草を見せた。

      *     *     *     *

「本当にありがとうございました」
 鷲宮は美紀子に向かって礼を言った。その後ろで尚子も一緒に頷いた。
「助かって何よりです。送っていきますから、乗ってください」
 美紀子は鷲宮親子に、自分の車に乗るよう促し、鷲宮親子は美紀子の車に乗った。美紀子は車に乗ろうとしたが、絵里香たちが来ないので、心配して引き返して行った。するとすぐに聖奈子と美由紀を見つけた。
「何してるの? 帰るわよ」
 美紀子は聖奈子と美由紀の傍に駆け寄ったが、二人とも何かを見ているようだった。
「二人とも一体どうしたのよ。絵里香と孝一君は?」
 聖奈子が無言で、ある方向を指差した。そこには絵里香と孝一が向かい合っているのが見えた。美紀子は聖奈子と美由紀の背中を押しながら言った。
「人の恋路を覗くんじゃありません。さ。行くわよ」
「はーい」

      *     *     *     *

 絵里香と孝一は、もうすぐ沈もうとしている夕日を見つめていた。二人の傍には一台のバイクが置かれている。
「孝一・・ 」
「何だ? 絵里香」
「あの・・ 色々とありがとう」
「礼を言われるほどの事じゃないよ。お前を絶対に守るって言ったじゃん」
「そんな事覚えてない・・ 本当にそう言ったの?」
 絵里香は記憶が戻ったものの、記憶を無くしていた時の事は全て覚えていなかった。しかし、今回の事で、孝一の存在が自分にとって絶対的なものに感じていた。
「孝一・・ 私・・ エンジェルとして、戦い続けなきゃならないのよ」
「そんな事、とっくの昔に分かってるって。たとえエンジェルの戦士であっても、絵里香は絵里香じゃないか。俺の目の前にいる女の子は、赤城絵里香。お前なんだぜ」

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「うん・・ 」
「がんばれ絵里香! 俺とお前は中学時代から、ずっとお互い励まし合ってきた仲じゃないか。お前なら必ず勝つ。絶対勝てる。あんな奴等に負けるはずがない。エンジェルレッドファイト!」
 絵里香は何かが吹っ切れたように、そのまま孝一に抱きついた。
「孝一が好き。孝一が大好き! 世界中の全てのものよりも孝一が好き」
「俺だって・・ 俺だって絵里香が一番好きだ」
「嬉しい! 嬉しいよ」
 孝一と絵里香は静かに向かい合った。それから・・・ 二人の唇が重なるまでには、長い時間はかからなかった・・・・・・



      *     *     *     *

 ミミズク魔人を使った作戦は失敗し、鷲宮親子は助かった。しかし、ネオ‐ブラックリリーはまた、新たな世界制服作戦を行おうと、その牙を研いでいるのだ。がんばれエンジェルス!

 (つづく)


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 次回予告
 第39話『スカウトされたエンジェル』

 ある日、美由紀と篤志は特撮ヒロインのショーを見に行く。そこで美由紀は特撮スタッフの目に留ってスカウトされ、ヒロインのオーディションに出ることを勧められる。戸惑う美由紀だったが、ショーの開催中にネオ‐ブラックリリーが襲い掛かってきて、見物に来ていた子供たちが連れ去られてしまう。
 ネオ‐ブラックリリーは何をたくらんでいるのか・・ 

 次回 美少女戦隊エンジェルス第39話『スカウトされたエンジェル』にご期待ください。




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テーマ : ライトノベル
ジャンル : 小説・文学

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